信濃毎日新聞1995年9月22日

 ドライバーが自分で給油するセルフ方式の導入を目指したガソリンスタンドが10 月6日、日本で初めて千乗県船橋市にオープンする。東京都内と干葉県でスタンドを経営するプラザエース(本社東京、松戸仁一社長)が開業するもので、窓ふきやエンジン点検などのサービスを別料金とし、給油だけの顧客に実質値引きする。
 消防庁は「危険物取扱資格者が行うか、またはその立ち会いが必要」としてセルフ給油を認めていないため当面は従業員が給油するが、同社は「法的にセルフが禁止されているわけではない」としており、反応が良ければ年内にも完全なセルフ方式に切り替える方針だ。
 ガソリンスタンドのセルフ化は、規制緩和の一環として政府部内でも検討されているが、先取り商法として大きな反響を呼びそうだ。
 ガソリン価格は、周辺より10円安い1リットル90円前後を予定。サービス料金は一律300円。客に希望を聞き、セルフ希望者にはガソリンの給油のみを実施。フルサービスを選んだ場合はエンジンルームの点検、タイヤの空気圧調整、ウインド・ウオッシャー液の補充と窓ふき、灰皿清掃などを行う。
 松戸社長は「通常8人必要な従業員が6人で済むなどコストが削減できるので、ガソリンをより安い価格で提供できる。今後他店にも導入したい」とセルフ路線拡大に意欲を示している。