ロシアによるウクライナ侵略からまる4年。第二次大戦中、2700万人の犠牲を出した独ソ戦の1418日を超えたという。ウクライナがこれまでロシアに対抗できたのはアメリカとEU、つまりNATOの支援があったからだ。支援額は毎年300から400億ユーロ(5-7兆円)、総計1300億ユーロ。しかし、トランプが米大統領に復帰してから、アメリカの支援はほぼゼロになっている。その分、ヨーロッパの支援が倍増している。総額24兆円の規模はウクライナの歳入規模の2年半分に相当する。

 一方、ロシア側の戦費は、米国側の推計で侵攻から約2年で最大約2110億ドル(約31兆円)。2025年の予算は、ロシア国防省によれば、11兆ルーブル(GDPの5.1%、22兆円)に達する見込み。

 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)によれば、ロシア軍の死傷者・行方不明者は約120万人、戦死者は27万5000~32万5000人と推計。ベトナム戦争での米国の戦死者数(約4万7000人)をはるかに超える。一方。ウクライナ軍の死傷者・行方不明者は50万~60万人で、戦死者は10万~14万人。あくまで推計値であるが、ロシア側の死者がウクライナの2倍以上である点に着目しなければならない。本来ならロシア側が軍事的に優位に立っているはずなのに、ロシア側は戦場で莫大な代償を払いながらかろうじて、東部4州を維持しているということなのだ。

 Forbes紙によれば、「アメリカのウクライナ支援の大部分は、米国内で消費された。備蓄の補充、生産ラインの拡大、兵器システムの近代化に充てられた」「米国の防衛産業は加速し、産業基盤は活性化した。米軍は現代戦について、ドローン、電子戦、ミサイル防衛など貴重な知見を得た」という。結果的に「ロシアの通常戦力は桁外れの損失を被った。軍用装備は破壊され、精鋭部隊は深刻な損耗を受け、NATO圏への通常戦力投射能力は低下した。つまり、純粋に戦略的観点から測れば、米国のウクライナ支援は限定的な直接コストで大きな成果を生み出してきた」のだ。

 トランプ大統領は和平の条件として東部4州の割譲を求めたが、ゼレンスキー大統領はこれに反発した。領土の割譲がなければプーチン大統領は停戦のテーブルにつかないだろう。ということは、今後短期的に和平に向かう環境にはなく、双方による消耗戦が継続するのだろうと思う。確かにプーチンが始めた戦争であることは確かだが、その前提となっているのが、「1990年代初めに、NATOは1インチも拡大しないとNATOや米国はロシアに約束したのに、それを破って、西側は1997年以来次々とNATO拡大を続けてきた」とのロシア言い分にも理がないとはいえない。