撤去を余儀なくされる道路下の防火水槽
9月市議会に向けてのサマーレヴューが18日あった。消防局が問題提起したのは「防火水槽」。かつては火事の際の消防水を供給するために道路下などに設置していた。大きさは直径3.6×6メートルほどのコンクリートの水槽に約40トンほどの水が常時貯められている。災害時など緊急車両が通行する基幹的道路では、「陥没」の危険があるとされ、「撤去」の動きが出ていて、高知としても今後撤去していく方針となったという。町に必要だった防火施設がいまや邪魔者扱いされている。問題は撤去費用。1か所、600万円から1900万円もかかる。
問題視されたのは、阪神淡路大震災。102か所の防火水槽のうち76%の78ヵ所が被害を受けた。新潟県中越地震では52ヵ所が漏水し、36ヵ所が地盤沈下したという。高知市で問題となっているのは23ヵ所。改修するのであれば、補助の対象となるが単なる撤去では全額市の負担となる。防火水槽はそもそも国の補助事業として昭和28年スタートした。当時の自治省が設置基準を定めた。補助事業として始まった水槽が今や不要の長物として撤去されるなら、その費用も当然、補助対象となってもおかしくない。4月1日現在、高知市内には579ヵ所の防火水槽があり、その半数の249ヵ所は昭和60年以降に整備されたものなのだ。今年5月、高知県の浜田知事が消防庁を訪問し、補助制度創設を要望したが、「撤去のみでは、補助対象、起債対象ともに困難」と言われた。国会の承認もないまま国防費を43兆円にかさ上げした霞が関。何ともつれないでないか。