【読者の声】国際標準の名が泣く日本限定の「cdmaONE」携帯電話
執筆者:伴 武澄【萬晩報主宰】
08月29日「国際標準の名が泣く日本限定の「cdmaONE」携帯電話」には日本人が知らない世界の携帯電話の詳しい具体例をいただきました。以下紹介します。
●中国でも使える台湾の携帯電話って知っていますか
いつも興味ある記事を読ませて頂き有り難うございます。今回の記事に関して、今更と思いご返事いたします。私は輸入の仕事をしており、度々ヨーロッパに参ります。そこで他の地域のエージェンと一緒になります。必要があると、インドネシアやタイの人から彼らの携帯電話を借りて日本に電話をします。私の携帯電話が日本を出たら何の役にも立たないものである事はとうに思い知らされております。
台湾の携帯電話は中国でも使える事をご存知ですか?表面では波風も立っておりますが、実利の面では両者ともしっかりしております。役に立つ事はとうに実行しております。知らないのは日本人だけではないでしょうか。高い電話料金を払い、しかも不便だ、なんて人を馬鹿にした話ではありませんか。日本でしか使えない方式に拘って大きな物を失い、あるいは失いかけているのは携帯電話だけではありません。ハイヴィジョンなどその最たるものでしょう。国際化とよく口にしますが日本の官僚は省益あるいはメンツのために見えるはずのものが見えないのではないかと思います。今後ともご高説楽しみにいたしております。(ashizawa yoshinobu)
●日本でもローミング可能な香港テレコムの新しいシステム「1010」
まったく同感です。私は海外によく出かけますが、日本の空港までしか使えない日本の携帯電話は旅行中にはただの重いプラスチックの箱と化し、邪魔になるだけで腹が立ってきます。最近、香港に10日間ほど滞在しましたが、GSM方式の電話機を日本の業者から高価なレンタル料金で借りて出発しました。レンタル料も通話料も高かったのですが、その電話機は国番号が86でしたので中国登録でした。
中国での携帯電話の価格は今ここでわかりませんからそのレンタル業者がどれだけ儲けているのかわかりませんが、ご高尚の通り香港ではそれほど高価なものではなく、下から二番目の料金プランで月額HKドル300程度です。基本料にはプランに応じて最高通話時間が付帯しており、ユーザーはそれを超えた通話時間分の料金を追加負担する仕組みです。
簡単な暗算での試算では年間3ヶ月以上の滞在でトントンくらいです。しかも、香港テレコムの新しいシステム「1010」は日本でもローミング可能です。これを契約して日本で使うとローミングの為に発信にも受信にも料金がかかりますからコストが高くなりますし、かける相手にも料金的な迷惑をかけますから実際には使えません。しかし、海外に出る機会が多い諸氏には香港テレコムのこのシステムはオススメです。
とにかく、日本の電話会社に世界観がないばっかりに国民が大きな損失を被っているのです。今問題になっている金融機関だって同じことが言え、外為取引の手数料など最たるものです。円-米ドル取引の場合、邦銀は1ドル当り片道3円で国内シティバンクが片道1円の手数料ですが、香港のシティバンクでは片道39銭でやってくれます。しかも国際フリーダイヤルでテレフォンバンキングできますから、融資を伴わない個人取引の金融機関に限って言えば、もう邦銀を利用する必然性はどこにもなくなりました。毎日スーパーで買物した代金もクレジットカードで海外口座から決済できます。為替リスクが伴いますが、片道39銭の手数料で外為を動かしていれば買物代金の為替変動差損など吹き飛ばせます。
まだまだ日本には奇妙な部分が多く、私は実に不思議な国だと思っています。海外から見て奇妙な国だと思われるのは仕方ありません。ロシアで重大事態が起こったり、円・株の東京市場が大幅安になっても国会での審議は一向に進展せず、単に与野党のメンツ争いに明け暮れています。
産業空洞化の次は資本流出、その次は人材どころか国民が日本国籍を離脱して海外へ流出します。難民の国となる日がやってきてもおかしくありません。重税を課し、介護保険を徴収し、それでいて住みにくくて幸せな人生など夢にも想像できないこんな国に住民登録していては一生の不覚ではないでしょうか。今後も厳しい問題提起をお待ちしております。(Kimura, Tamotsu)
●世界を知っている日本人がなぜシステムに異議を唱えないか
いつも興味深く読ませていただいております。携帯電話の問題、とても興味深く読ませていただきました。正直、日本はグローバルスタンダードという意識が少なすぎるのではないかと思います。
数年前、モトローラ社が日本の携帯電話市場、電波割り当てに意義を唱えた時、郵政省はNTT擁護に走り、結局、日本人はコストが高くて世界で使えない携帯電話を大量に持たされる結果となりました。
GSMの話題が以前取り上げられていましたが、NTTグループ、郵政省は日本方式をくずさず、結局携帯電話市場の世界的ローミングと流れにみごとに乗り遅れました。日本は携帯電話のデジタル化過渡期にPHS方式採用という愚行にでて、結局、PHSユーザーは携帯電話に乗り換えにはしり、PHS市場は惨敗状態。
来年、電話番号の大幅変更による、電話器のユーザーの電話器買い替えが起こることが予想されますが、これを機会に電波割り当ても含めて国際化できるような法体系に整備してぜひとも移行し、日本だけでしか通用しないような理不尽なシステムは辞めてもらいたいものです。
日本が世界的な規格に賛同すれば、日本の携帯電話メーカーも国内、輸出向けで製品の使用を大幅に変える必要もなくなるので、開発費などのコストも押さえられるものと思われるのですが。
こういった世界スタンダードでなぜ日本だけが?というのが多すぎると思います。デジタルテレビかり。こういった話題、ぜひとも取り上げて欲しいです。
あと、NTTに関しては電話料金がなぜ欧米並みに安くできないのか、取り上げてもらえませんか?
Internet とくアメリカ、カナダを含めた諸外国では市内通話は基本料金でカバーされており、Internetを一日中、使い続けても電話代が膨らむことはありません。また欧米ではISDN電話回線とアナログ回線の基本料金が同じなのに、日本はこれも割高です。
少し前に世界の電話料金比較なるものがニュースで取り上げられ、“日本はそれほど高くない”といった結果が出ていましたが、市内通話1分30円という点には一切触れられず、諸サービスのみの比較(キャッチホンとか転送サービスなど)のオプション料金が比較されたものでした。
これだけ国際化、海外旅行などで世界を知っているはずの日本人がなぜ、日本だけがおかしい、といえるシステムに意義を唱えないのか本当に不思議です。(ペンネーム モナカ)