【読者の声】アメリカの国家戦略に東洋思想を
執筆者:伴 武澄【萬晩報主宰】
2002年12月24日(水)東洋の諦観をよく見ています 宝田時雄東洋の諦観をよく観ています。熊楠が産土神の合祈や廃棄に際し、あれほどの抵抗運動を示した事を想起する。碩学熊楠が心血を注いだ行動は、いま中野さんが唱えていることとは、まさに同根であり,同憂である。多神の御指摘も茫洋としてとらえられない(官製学では),広大で4次元の宇宙観からすれば至極当然な摂理である。
まさに売文の輩や言論貴族の視野にはないアジアスタンダードの構成要因が整いつつある。とくにアジア一端であるイラクの問題を考える時、鮮やかな問題として提起される。
いつぞや中野さんが石原莞爾を例に語ったといわれましたが、12/7日東亜連盟の物故祭の招請を受け,偶然貴コラムと同様な論を披露しました。
小生の人物例は孫文と明治の日本人の矜持と頓智でした。
イラクでも日本人の頓智が生かせたらどうか・・・
タルムードに比する「大謀は謀らず」こそ,無がゼロでなく無限大の謀となるはずです。
具体の現象はそこから生まれ,評論,推考はその後続きます。 具体の現象を作りたいものです。それは簡単な頓智から生まれます。一神教が世界の争いのもと 中山善照「アメリカの国家戦略に東洋思想を」を読みました。
ご意見に賛成です。一神教が世界の争いのもとをつくっています。日本人は宗教を人間の上におきません。どんな宗教でも人間がそれで向上すればいいではないかという考え方をもっています。これこそ真の意味でのヒューマニズムです。
ラフカディオ・ハーンはその著「日本・一つの試論(Japan:AnAttemptatIntrepretation
・別題/神国日本)」で、「いかなる国の経済も文化もその国の宗教を深く知らないと理解できるものではない」と言っています。日本を理解するにも、世界を理解するにもその国の宗教を深く知る必要があります。
アメリカの世界戦略の見えない部分にキリスト教があるのは間違いありません。これはブッシュにかぎりません。アメリカの背後には常にファンダメンタリズム、ピューリタニズムがあります。ブッシュが今回のイラク戦争で「十字軍」と口をすべらせてしまい、あわてて訂正しましたが、田舎者の素朴さでつい本心をしゃべってしまったと小生は見ています。(貴殿の論文から)
半世紀前に出版されたNormanCousinsの本の中で興味のある記述に出会った。インドの奥地を訪問した時、文字を読むことができないキリストの教えを知らないはずの村人がキリスト教が理想とする生活を行っていることに驚かされ、そこで、キリスト教の源流は、東洋思想に影響されていることに気がついた。とある。とのことですが、中野さん、この本以前に、このインドの風景は昔の日本そのものであると思いませんか?
日本人は西欧的あるいはキリスト教的倫理観を持ちませんが、古来の、もしかしたら人類発祥以来の原初的で、素朴な倫理観で社会を形成してきました。その日本社会の倫理道徳レベルはキリスト教国のそれに勝るとも劣りません。
中野さんには、NormanCousins氏の著作より先に、この事実に気づいていただきたいものです。
ところが、西欧人は日本人を宗教的倫理観のない民族だと思っています。1980年代の日本の経済躍進に対して、CIAレポート「ジャパン2000」はつぎのようにいっています。「憂慮すべきは、日本の価値観や体系が輸出されていることだ。日本の国内体系の価値観が、西側自由市場体系に徐々にとって代わり、世界の経済における有力な価値体系になるかもしれない」
「日本の経済支配は最悪の結果を招く。経済力を使って日本の文化と価値観を世界に押しつけてくるだろう。これは大きな問題だ。というのも、ユダヤ・キリスト教主義に基づく西欧の規範と違い、日本型規範は絶対者や道徳的強制力をもたないからだ。西側の価値観は、日本の場当たり的倫理の前では腐食してしまうだろう」西欧人はその文明力の高さから、東洋人を見下していると思われます。それはまだ、アジアや中近東の現状を見れば、いたしかたないことでもあります。文明や文化というものは電流のようなものですから、高きから低きへ流れるからです。そしてそこに彼らの宗教の優越性が顔をのぞかせてくるのだと思います。
さて、ここで考えていただきたいことがあります。
中野さんのような知識階級の日本人が、意外と日本人そのものを知らないということです。あなたはNormanCousinsを読まれましたが、ではハーンのJapan:AnAttemptatInterpretationは読まれましたか?これは日本人の本質を知る好著です。
ところで、ライオンズやロータリーに、短期間ホームステイする交換留学生、ユースエキスチェンジという制度があります。あるクラブが女子高校生をニュージーランドの家庭にホームステイさせました。
ステイ先の家族が女子高校生に訊ねました。
「日本人は仏教徒なのになぜ先祖を拝むのか?」
この質問に女子高校生はまったく答えられなくて困惑したといいます。さて、中野様、あなたはお答えになれますでしょうか?
いわゆる国際時代と言われるいま、こういったことを外国人にきちんと説明できなければならない時代となっています。日本人はいま誰もが「己自身を知る」ことを求められているのです。
つまり、アメリカに東洋思想を説く前に、日本人自身が日本人とは何者なのかを知り、身につける必要があるのです。
ここで唐突な質問ですが、あなたは首相の靖国神社参拝に賛成ですか、それとも反対ですか?その答えによってあなたが日本人を知っているかいないかがわかります。
アメリカ人に東洋思想を教えるまえに、日本人が日本人としてのアイデンティティを明確にしておかねばなりません。
以上、中野様のご意見には賛成ですが、もしあなたが日本人自身を知らないとしたら、あなたのご意見は空虚なものになります。以下お答え下さい。
1,日本人は仏教徒なのになぜ先祖を拝むのか?
2,首相の靖国神社をどう思いますか?民主主義に絶望 酒匂景敏69歳の男性です。終戦後あれほどまでに称賛されたいわゆる民主主義が、こんなところに来てしまったのかと絶望です。大が小を抑圧し、強者が弱者を圧迫する様は、気ちがい沙汰です。ブッシュ氏がかくまで酷いことを行い、まるで神のように振舞っていても、米国民はさして反対の意思をあらわそうとしない様も異常です。やはりこの戦争は、キリスト教とイスラム教の宗教戦争なのでしょうか。また、この戦争は、上の支配層と下の民衆の態度の乖離が顕著です。米国の知識人は無力なのですね。どうなるのでしょうか。イラク侵攻を賛美した友人に転送した 梨本修造梨本修造@信州高山村です。突然のメールをお許し下さい。萬晩報のメール・ニュースを楽しんで読んでいます。今回の貴兄の文章を大変感心しながら読みました。早速、ロスに住む、アメリカのイラク侵攻を散々賛美した友人に転送いたしました。彼とは最近、直接に話し合ったことはありませんが、在米40年すっかり共和党よりの考え方になってしまいました。
さて、最近出版された本の中に、寺島実郎さんの「脅威のアメリカ、希望のアメリカ」(岩波書店)と言う本があります。この中で彼は孫文の「大アジア主義」の講演についてふれております。これは孫文が死ぬ4ヶ月前に神戸で講演したものですが、締めの言葉として「あなた方日本民族は、欧米の覇道の文化を取り入れていると同時に、アジアの王道文化の本質ももってます。日本がこれからのち、世界の文化の前途に対して、いったい西洋の覇道の番犬となるか、東洋の王道の干城となるか、あなたがた日本国民がよく考え、慎重に選ぶことにかかっているのです。」
ご存知のように少年期をハワイで過ごし、後に香港で医者となった孫文は次第に革命家として成長しますが、清朝に対する政治改革の意見書が受け入れられずに再びハワイの渡り、組織的な中国革命運動に入ったと書かれています。当時アメリカはハワイ王朝を強引に崩壊させて共和制に転換させていますが、このアメリカの力による開放?を複雑な思いで見ていたことになります。
この孫文が日本人に与えた忠告こそは今の日本人にとって基本になるものと思います。残念ながら日本社会のリーダー達は孫文が見つめた歴史の教訓を同じように見つめ、学ぶことが出来ないでいることです。これをきちんと理解できる人が政治、経済、マスコミ界に多くならないとこれからもアメリカの番犬でいるより他はないのです。
今、私は長野県の山間の村に住んでおります。でも通信技術の発展のおかげで色々な情報に接することができます。そして情報源から一定の距離があるために見えないことも見えることがあります。それには現地にいる多くの方々の正確な報告が必要です。
今後ともレポートをくださいますようにお願いいたします。狩猟民族的O型と遊牧民族的B型と農耕民族的A型 町田川崎に住む町田と申す若輩ものです。いつも興味深く拝読させて頂いています。
以下は、精神論ではなくて科学的解釈なので中野先生の嫌うところかもしれませんが、どうか理科系の意見としてお納めください。長所の反対は短所。日本の弱点は理科系の社会的地位が低い(低すぎる)ことです。
人間に遊牧民族的体質と農耕民族的体質が共存していると言うのは言いすぎです。一人の人間に両者が共存しているのは血液型がAB型の人のみです。
『現代の人類は、狩猟民族的O型と遊牧民族的B型と農耕民族的A型が共存している』、という言い方が妥当です。日本はバランスよく大陸から移民を受け入れてきた結果、AとBが交わらないと生まれないAB型が10%もいる世界的にも珍しい土地です。(世界的には5%くらいで、北米にはほとんどいません)ですから調和を重んじきた土地であることが理解できます。逆に北米は、人種のるつぼと言われながら、ネイティヴアメリカンのO型とユダヤ系移民のB型の影響力が強いので、肉食がメインで性格も攻撃的に偏っています。
以上のように考えるとすべてうまく理解できると愚考します。
すみません、アラブやインドの民族の血液型構成までは浅学なので存じ上げません。一つ言えるのは、日本民族の祖先は農耕民族か騎馬民族かなどと議論するのは無意味だということです。大陸から農耕民族のA型と騎馬民族のB型の両方を受け入れた結果です。
もう少し大陸から遠かったら、ネイティヴアメリカンのようにO型ばかりになってしまったと考えられます。
アメリカ大陸やアフリカが欧州列強にあっという間に征服されてしまったのも、O型の劣勢遺伝子が優勢遺伝子AとBに征服されたと考えればいいでしょう。最古の遺伝子Oは環境の変化に伴って進化したAとBに征服されて淘汰される過程にあります。ただしAB型はA型とB型の両方のガン細胞を受け入れるなど、環境に適応できているか疑問です。なのでAB型に代わる別の血液型が出てくる可能性もあります。私は人類の将来に楽観的です。