新型コロナウイルス「流行」から1年半。考えてきたことは、Covid19は単なる「流行」ではないのではないかということだ。Covid19は中国・武漢から始り、1カ月で中国全土に広がり、2月からはヨーロッパ、そしてアメリカと拡大した。この間、特異な出来事は各国で外出禁止令が出て、都市封鎖が行われたことだと思う。地球規模の感染症は100年前のスペイン風邪以来の出来事だが、数千万人の人が命を落としたこの感染症でも都市封鎖ということはなかった。戦時下でもなかった都市封鎖は、人々の行動の自由を制限する措置。これまでの人類の歴史でもほとんどなかったことが、この一年地球規模で現実に起きてしまった。世界のリーダーたちは「命」のためだと口をそろえた。そして人々はそれに反発することなく、政府の方針に従った。地球規模でこんな「恐怖」が人々の心を支配したからだろう。

 この20年、世界はアメリカを中心に「テロとの戦い」が合言葉となった。9.11の翌月、アメリカで「愛国法」が成立した。テロから国民を守るのが目的だったが、アメリカ市民の私権は大幅に制限されている。テロ容疑があれば、裁判所の令状なしで逮捕される。アメリカはそんな国成り果てている。米ソ冷戦時代は「自由と民主主義」がアメリカの旗印だった。不思議なことに、その自由が大きく後退したことにアメリカ国民はあまり驚かなかった。「テロ」という恐怖から身を守るために「仕方がない」とでも考えているのだろうか。ショック・ドクトリンという言葉がいつのころからだか言われるようになった。国家の大きな政策転換はよく戦争や大規模災害時になされる。国民が茫然自失状態になっているスキに「やってしまえ」ということらしい。

 Covid19についていえば、世界中がまさにこのショック・ドクトリン状態にあるのではないかと思っている。かつて日本はワクチン大好き人間が少なくなかった。子どもの頃、天然痘、ジフテリア、コレラ……沢山のワクチンを打たれた経験がある。そのワクチンはやがて副作用、後遺症が大きな社会問題となり、無防備なワクチン接種に対して批判的な主張が大勢を占めるようになった来た。日本ほどワクチン中毒でなかった欧米で今何が起きているか。我も我もとワクチン接種会場に足を運んでいる。たぶん、人々の心を支配している恐怖心のなせるわざではないかと考えている。いまほど世界の人々の心が無防備になっている状況はかつてなかったといっていい。多くに国ではCovid19感染拡大を防ぐために、スマホに簡単なアプリを入れて、自動的に接触履歴が分かるようになっている。中国のようにアプリなしでは日常生活ができなくなっている国も少なくない。この一年、中国で犯罪が激減しているそうだ。そうだろう。日々の行動すべてが国家に管理されているからである。中国以外でもシンガポールや台湾などでもこのアプリが「有効」に活用され、感染拡大に貢献していることは確かだろう。

 だが僕たちはここでいったん立ち止まらなければならない。Covid19感染拡大のためとはいえ、僕たちの行動すべてが見透かされる時代が本当に来ていいのだろうか。言葉は悪いが、いったん監視システムが出来上がると後戻りはできない。日々、報道で繰り返される繁華街への人出情報はマスコミ各社が携帯電話会社から提供されている。「個人情報を分からないように」というからには携帯会社はすでに顧客の行動をほとんど把握しているに等しい。その個人情報が国家に提供されないはずはない。そう考えるのが常識ではないだろうか。

 そんなふうに考えると、環境問題だって疑わしいかもしれない。「持続可能な社会」といえば、理想的にみえるかもしれないが、もはや二酸化炭素を大量に排出する企業は社会的に抹殺される時代になっている。そもそも地球は数千年単位で氷河期を繰り返してきた。その間に温暖化の時期もあった。フィリピンのピナツボ山の大噴火が起きた時に考えた。ピナツボ舊の大噴火はどれだけの二酸化炭素を放出するのだろう。家畜として我々にたんぱく源を提供してくれるウシのゲップが大きな問題として指摘されたこともある。そもそも地表の数千メートル下はマグマ状態なのだ。地球の生物は地球の表面でかろうじて生きているのだ。恐竜やマンモスが絶滅するくらい過去に地球は大きな地殻や気象の大規模変動を繰り返していたはずだ。

 そもそもCovid19は自然界で変異したウイルスなのかも不明である。人類が遺伝子操作によって生み出したものかもしれない。これまで開発された医薬品はまず、動物実験があり、その後に健康者に摂取して副作用の有無を調べる。副作用が少ないことが分かって初めて患者人に接種して初めてその「効果」を調べる。それぞれ数年間の実験が繰り返される。だから医薬品開発に10年かかるというのは常識の世界である。WTOがCovid19の感染を認識してから一年以内に開発販売されたのが、現在、我々が日々接種しているワクチンなのだ。