「自炊」が話題になっている。キンドルやiPadなど読書用の端末が数多く販売されているが、肝心のソフトが日本ではない。所有する書籍の背を思い切って「裁断」し、両面スキャナーにかけてPDF化すれば、自前でデジタルブックが完成する。日本では書籍のデジタル化が圧倒的に後れており、業を煮やした個人が「自炊」することが流行っているそうだのだ。数カ月前の毎日新聞夕刊の一面トップで「自炊」が取り上げられていた。それまで「自炊」という言葉は知らなかった。
 ひょんなことから、松沢資料館で製本用の大きな裁断機を発見、同所にあった複合複写機で試してみた。5年前に購入した古本の賀川豊彦全集である。とりあえず『死線を越えて』三部作が入っている14巻。作業はものの30分で終わった。帰宅してから、PDFファイルにOCRをかけて検索可能にした。
 ここまでやっておけば、篤志家がたぶんさらに「デジタル化」を進めてくれるだろうという期待もある。年内に全集24巻(といっても2巻欠如)のPDF化を終える計画である。松沢資料館と神戸の賀川記念館と相談して賀川研究家や賀川ファンにとって使い勝手のいい利用方法を考えたい。
 賀川豊彦全集14巻は試験的に献身100年記念事業オフィシャルページで読めるような状態になっています。
 ぜひご覧下さい。 

 太陽を射るもの ttp://www.yorozubp.com/books/14taiyowoirumono.pdf
 壁の声きく時 ttp://www.yorozubp.com/books/14kabenokoekikutoki.pdf