急増する自家発電 1995年11月21日
ショッピングセンターやスーパーなど大型商業施設での自家発電プラント導入が急増している。高い電気料金から身を守る自衛策で、廃熱も併せて利用すれぱエネルギーコストが半減するなど経費削減効果は大きい。
最も積極的なのはニチイとジャスコ。昨年ダイエーも仲間入りした。ニチイは1987年から「5円、10円単位で電気代を節約しよう」とスタート。270店のうち80店舗に導入、電力需要の半分から三分の一を自家発電で賄っている。
今年開店したニチイの秋田サティ(秋田市)では3000キロワットのうち半分以上の1700キロワットを自給、廃熱は冷暖房や給湯に利用。「全社平均で約二割の電気料金の削減、廃熱利用を入れると店舗によっては5割のコスト削減になる」と試算する。
ジャスコは203店のうち57店釧に設置、ここ数年、年間20カ所のペースで増えている。
日本チェーンストア協会などによると、電力会社が供給する電気料金は、ビルなどの「業務用」が工場向けの「産業用」と比べ4割も高いという。その上、原油価格の下落と円高にもかかわらず料金値下げが遅れた。
全国のスーパーが負担する年間の電気料金は売上高の2%に当たる3000億円。自家発電によってその2、3割が節減できる。流通業界では「自家発電の導入を前向きに検討中」(イトーヨーカ堂)とする企業が増えており、電力自給の動きはますます拡大しそうだ。