先週、ウクライナ4年の話をしたばかり、2月28日はトランプとイスラエルがイラン攻撃。そしてハメネイ氏殺害。トランプは戦争と言っていないから、これは殺人事件といっていい。大統領による最高指導者殺人事件として歴史に残るだろう。ウクライナはもちろん、ガザでも戦闘は完全には終わっていない。そこへイランである。不思議なことにヨーロッパで、スペインを除いて、トランプに警鐘を鳴らすリーダーはいない。

 トランプは「私たちは繰り返し合意を目指した。努力した」と主張し、イランについて、「核計画の再構築を試み、ヨーロッパの良き友人や同盟国、駐留米軍を脅かし、近いうちにアメリカ本土に到達し得る長距離ミサイルの開発を継続しようとした」と批判。「この極めて邪悪で過激な独裁政権がアメリカを脅かすのを防ぐ」ため、「大規模な」作戦を実施していると述べた。実はイランで何が起きているか全く分からない。アメリカ・イスラエルがなぜ、この時期にイランに空爆を加えなければならないのか、理由も分からない。トランプは作戦は成功しているいうが、アメリカ、イランの双方の本当の被害も分からない。

 そう簡単に戦争が終わるとは思えない。ウクライナでもそうだったが、イランは最新ドローンの生産拠点。ミサイルは一発何億円もする。何万も備蓄しているとは思えないが、ドローンは無尽蔵にある。長期化すればするほど、選挙区はどちらが有利になるか分からない。

 重要なことは最高指導者ハメネイ師は、イスラム教シーア派の宗教指導者でもあったこと。その死は「殉教」とみなされる。シーア派の教義では殉教は非常に重要な意味を持ち、イランによる激しい報復につながっる。イランメディアは各地で追悼のため市民が行進し、「ハメネイ師は殉教の夢をかなえた」「殉教した指導者の道を歩み続ける」などと語ったと伝えた。ハメネイ師の死を喜んでいるイラン人もいるだろうが、大半はそうではないだろうと思う。いくら圧政が続いていたとしても最高指導者が敵側に殺されたと考えれば、アメリカ・イスラエルへの反感は高まると考えた方がいい。つまり、イラン側のイスラエル・アメリカに対する憎しみがさらに増幅することは間違いなく、紛争地域だけでなく、地球規模のテロが拡大してもおかしくない状況を生み出している。

 今回の攻撃は昨年6月に続くもの。トランプは「イランの核施設を破壊つくした」としていたが、今回の攻撃は核合意を目指す交渉中に突然、始まった。