ウクライナ紛争を24時間で終わらせると豪語したトランプ。大統領就任からまもなく1年が経つが、ウクライナはおろかガザも解決していない。そんな状況で1月3日、ベネズエラに侵攻、大統領夫妻を拉致し裁判にかけた。隣国のコロンビアにも脅しをかけ、デンマーク領のグリーンランドも我が物にしようとしている。キューバやカナダもやられるかもしれない。トランプの戦略を「力の平和」と書いた新聞もあるが、戦地を拡大し、さらに拡大しようとしているのが実情である。同じNATOの加盟国であるデンマークに軍事力を行使することはないと思うが、”平和裏”にグリーンランドを領有したとしても、もはやNATOの存在は意味をなさなくなる。これまで長年築いてきた国家同士の約束事を次から次へと破っているのがトランプ流だとしたら、日米安保だって危ないことになる。アジアを守ってくれると信じて同盟関係を強化してきたのが、これまでの日本外交。これから、自分でアジアを守れといわれたら、日本はどうするのか。これまでの日本外交には日米協調以外の選択肢はなかったから思考停止状態になることは確実。

 この1年、トランプによって世界がよくなったことは何一つない。にもかかわらず、同盟国を含めてトランプに苦言を呈する政治家はほとんどいない。デンマークとグリーンランドの外相は14日、米ホワイトハウスでアメリカ側と協議し、グリーンランドの将来について協議するハイレベルなワーキング・グループを設置することで合意したというが、自国領土の譲渡を強要しようとしている相手と「協議」など普通はあり得ない。普通ならテーブルに着くこともできないような議題だ。唯諾々とテーブルに着くデンマークもデンマークではないか。

 万が一、トランプが「日本に任していたら沖縄防衛すらできないから、沖縄をアメリカに寄越せ」と要求されたらどうするのか。高市首相は春にも訪米を予定している。どうせ、防衛費の拡充を約束させられるのがオチだと噂されているが、日本を本当に守ってくれそうにないトランプにこれ以上の譲歩をするのなら、それこそ売国奴といわれてもおかしくない。