酷な剪定が繰り返される街路樹?

日本の町ではせっかく街路樹を植えているのに、夏が終わるともう剪定作業が始まる。イチョウなど紅葉が楽しみの街路樹まで裸んぼにしてしまう。あまりに乱暴ではないかと考えてきた。高知でも最近、街路樹の剪定が始まり、SNSで批判が高まっている。街路樹が繁茂して道路標識が見えなくなったり、架線に影響が出るのなら分かる。行政がこんな乱暴をするのは 、住民からの苦情しかない。「トイに枯葉がつまる」「枯葉が舞う」。そんなところだろう。街路樹の効用のひとつは暑さ防止であろう。まず気温がまだまだ30度以上の時期に選定する理由が分からない。そしてほとんどの枝を切って幹だけにする理由も分からない。
街路樹の剪定を発注するのは高知市みどり課。みどり課が発注者で、たかじょう庁舎に入居する公益財団法人都市整備公社が下請けし、民間業者が孫請けする。公社の目的は「都市施設の整備, 保全及び遍営並びに緑化推進及びまちづくりに関する事業を行い, 高知市民の福祉の向上と地域振興に寄与することを目的とする」。その第一の公益事業が「高知市内都市公園および街路樹の管理」。総事業費6億円のうち約4億円が「高知市から委託を受け,市内の都市公園等の管理及び街路(市道)の樹木剪定」につかわれる。わんぱーくこうちの指定管理もしているがその金額は3000万円程度。「樹木剪定」が主たる事業である。高知市から受託した事業を自ら行うのなら「公益事業」に値するだろうが、剪定そのものは民間事業者に委託する。単なる資金のトンネル団体と疑われてもおかしくない。それから公益財団法人はあくまで民間法人である。民間法人ならば、業者選定に当たって公募入札する必要はない。つまり、剪定代金は「不透明」といっていい。業者の言いなりではないかという疑いさえ出てくる。
さらに「『街並みにとけこむ街路樹の整備』をテーマに,街路樹の高木剪定・消毒等を実施し,季節と景観,並びに安全への配慮に努めました」と事業報告書にある。まだ暑い最中に街路樹を裸んぼにすることが「季節と景観」への配慮になるのだろうか。
