イスラエルがイランの核施設に対して「先制攻撃」を行った。イスラエルは2023年10月からガザに対する「殲滅作戦」を継続している。アメリカ、そしてヨーロッパの国々の支援なくしてイスラエルの「更正」はあり得ないのだが、あまりにもの傍若無人ぶりにイスラエルの同盟国だと自認してきたイギリス、フランス、カナダはもはやイスラエルを支援していない。ジェレミー・ボウエンBBC国際編集長は、「特に飢餓寸前とされるガザへの食糧支援の制限や、パレスチナ市民に対する戦争犯罪を示す証拠が増え続けていることが問題視されている」という。
「ガザほど狭い地域に多くの住民が包囲され閉じ込められ、無差別爆撃を受け、医療の否定も行われている地域は見たことがない」ノルウェー難民評議会のベテラン代表で、元国連人道問題調整官でもあるヤン・エーゲランド氏は語っている。しかも報道機関を完全にシャットアウトした状態なのだ。
 そんな状況に業を煮やしたイギリスのスターマー首相、カナダのカーニー首相、フランスのマクロン大統領は5月19日に共同声明を発表。「我々は常に、イスラエルがテロに対して自国民を守る権利を支持してきた。しかし、今回の攻撃の激化は全く不相応だ。(中略)ネタニヤフ政権がこのような悪質な行為を推し進めるのを、我々は座視するつもりなどない」と述べた。その英仏の支援を失ったネタニヤフ首相が、13日、イラン攻撃に転じたのだから、もはや常人の域を脱している。狂人がアメリカ大統領に選ばれ、もう一人の狂人が中東で暴れまわる。こんな歴史を人類は体験したことがあるだろうか。16日からカナダでG7が始まる。誰かが狂人の行動を止めなければならない。スターマー、マクロンにその度量はあるのだろうか。