来日直後に生活保護申請?
5月2日のはりまや橋夜学会で、桐生市で起きた生活保護1日1000円事件について、受講者の一人から、「日本では来日直後に生活保護を申請した中国人32人に生活保護が下りたんだ」という指摘があった。韓国や中国などの国籍を持ったままの定住者ならありえるが、入国したばかりの外国人が受給できるはずはない」と反論した。しかし、ネットで調べると、2010年5月から6月にかけて大阪市で48人の申請者があり、32人に需給を認めたケースがあった。福建省出身の高齢の中国残留孤児の面倒を見るという理由で入国ビザを申請し、入管が「定住ビザ」を発行したことから起きた事件だった。大量申請の発覚後、大阪市は調査を開始し、「生活保護受給目的の入国」として、保護費支給済みの26人に対して支給を打ち切る方針を決め、9月には、生活保護を申請した48人全員が辞退したことが明らかにされた。
ネットでは、外国人による不正受給はこの一件しか見つからなかった。原因は入管のずさんなビザ発給だといわれており、入管はただちにビザを「定住」から「特定活動」に変更した。問題は、ネット上で「中国人が不正受給している」と悪意に満ちた筆致で騒ぎ立て、炎上したことであろう。どんな社会でも不正を働く人はいるであろう。たまたま、日本側のずさんなビザ発給で起きただけの事件を取り上げて「中国人は」と騒ぐのは許せない行為だと考える。(萬晩報主宰 伴武澄)