自治体の議会には本会議の他に、委員会がある。議員になると、必ずどこかの委員会に所属することになる。高知市の場合、総務、経済文教、建設環境、厚生の四つの分科会のほかに、全員が所属する予算決算委員会がある。高知県の大川村村議会は議員が6人しかいない。常任委員会は「総務産経常任委員会」の一つしかない。すべての議案はそこで審議され採決され、もう一度本会議で採決される。

市長が提案する議案はまず、本会議に上程され、分野ごとに委員会で審議され、採決される。予算や決算は予算決算員会に付託されるが、34人全員での審議というのも難しいから、予算分野ごとに四つの分科会に分けて付託される。総務分科会は事実上、総務委員会の役割となる。委員長は事務局作成の文章に沿って議事を進める。慣れるまで分科会をやっているのか委員会をやっているのか分からない。というのも、市長部局から提案される案件のほとんどが「予算」だからだ。条例案はほとんどが国や県の法令・条例の改正に伴う改正案で、高知市独自の条例案は少ないという印象だ。

本会議初日、市長から提案理由が行われ、数日後に議員による一般質問に移る。議員は誰でも質問する権利がある。僕はすべての議会で質問をしてきた。自分の意見を開陳できる数少ないチャンスだからだが、年に一回しか質問をしない議員も少なくない。一部の個人会派の議員によれば「年に二回程度にしてくれ」と議会事務局から言われたと証言する。一人の持ち時間は1時間、午前2人、午後2人で計4時間。16人が質問すると一般質問の日数は4日間となる。一般質問が終わると「休会」となる、議長は「再開は最終日」と宣言するから最初は驚く。それぞれの委員会で議論し採択された議案は最終日に本会議に上程され、最終的に採決される。それまで「本会議」は「休会」という意味なのだ。だから、初日の本会議と最終日だけを傍聴していても何が何だか分からない。

冒頭、議長が「これより●●定例市議会を開催します。ただちに本日の会議を開きます。日程第一、会議の日程を本日から●●日までの●●日といたしたいと思います。ご意義ありませんか。(異議なしの声)ご異議なしと認めます。よって会期は●●日間と決定しました。日程第二、会議の署名議員を決定します。今期会議録署名議員は議会会則により、議長において、●●議員、●●議員を指名します」。こんな感じで、議長は議会事務局が作成した文書を読み続けるのである。