1925年に普通選挙法が公布されて、今年は100年になるという9日の日経新聞の記事があって、ひらめいたことがある。もちろん普通選挙法は吉野作蔵らによる民本主義の広がりや、美濃部達吉の天皇機関説など言論界から自由を求める運動があったのは確実だが、庶民にとっての引き金は1918年の米騒動である。明治前半、藩閥政治に対する反対を掲げた闘争があったが、主に旧士族による蜂起だった。米騒動はおかみさんたちが各地で立ち上がった運動で、庶民が「コメよこせ」を叫んだものだった。昨年以来の令和の米騒動と生き写しなのだ。問題は無策の政府に対して市民が立ち上がるかどうかということではないだろうか。どこかで火の手が上がる可能性はある。令和の物価高の象徴となるコメ価格高騰とコメ不足。政府は市民をなめてはいけない。