高知市の3月議会が始まった。5日に桑名市長から議案の説明があったが、新しさはまったく感じられなかった。「チェンジ」がないのだ。僕は12日午後2時からまた一般質問をする。第一弾は弘化台の高知市卸売市場の活性化について質問する。高松市の卸売市場は高知と同様シャッター街だったが、4年前からの関係者の汗によって市民の人気スポットに生まれ変わった。いいことはどんどん真似をしたい。高知商業高校のジビエ部が今、卸売市場に関心を示している。若者の力でなんとか弘化台のチェンジを期待したい。

 高知市卸売市場が衰退している。取扱高は青果で三分の二、水産は四分の一。多くの仲卸が撤退、店舗108のうち49が空き家状態。それなのに、なんとかしなければという危機感はまったく感じられない。規制があるからできない。そればかりだ。高松市の卸売市場も状況はまったく同じシャッター街だったが、4年前のコロナの最中から変わった。何とかしなければと考えた市場関係者たちはまず空き店舗の清掃や改修に取り組んだ。職員たちの汗が流れを変えた。新規店舗の誘致のため、地元の高校生の協力を仰いだ。まず「うみまち商店街」という名称が決まった。

「職員さんが汗を流す姿を目にし、素敵な愛称が付いたことで、私たちも期待をふくらませました」と話すのは、関連商品売場棟の開設当初から営業をしている食堂「おけいちゃん」の店主・原本未希子(はらもと みきこ)さん。両親が開いた店を引き継いだ原本さんは、どんどん活気を失っていく一帯に胸を痛めていたが、新しい風が吹き始めたことを肌で感じた。(四国電力のサイトから)

老朽化した建物はオブジェや絵画で飾り付けられた。高松工芸高校生は壁面アートを手掛けた。やがて「うみまち」はマスコミにも取り上げられ、出店が相次いだ。「昭和レトロ」の街として市民が集まり、今や観光客の人気スポットにもなっている。

高知市で生まれた「ひろめ市場」はいまや全国ブランド。かつて高松にも同じような空間をつくった。だが、人は集まらず、すぐ撤退を余儀なくされた。ただ真似をすればいいというものでもない。「うみまち」は高松駅から500メートルと立地に恵まれている。高知市の弘化台は歩いてはいけない距離にある。昼間、数百台の無料駐車スペースがある。市内で無料なのはイオンとコンビニぐらいのもの。いま、高知商業高校がジビエの店を卸売市場で開く準備をしている。「できない」理由を探すのではなく。規制を乗り越える努力が求められている。高校生がやってきて何かが変わるかもしれない。そんな期待が今、膨らんでいる。(伴武澄)