10月9日(金)午後7時から

WaterBaseで

講師:伴武澄

驚いた。中国で電気自転車が2億5000万台も走っているというのだ。90年代に7000万台という報告を読んだ時も驚いたが、電気自動車EVの普及で世界をリードしている中国では自転車の世界でも大きく世界をリードしていることが分かった。

中国はもともと自転車王国だった。マイカーが走り出したのは2000年ごろからで、貧しかった時代のもっともポピュラーは移動手段だった。それが、90年代から簡単なモーターと鉛電池を取り付けた電動化が始まった。本田宗一郎らが戦後、「原動機付自転車」という新ジャンルを生み出したように、そんな需要を先取りして小資本な電動自転車メーカーが乱立した。日本ではアシスト機能の電動自動車が走り出してたが、道交法が災いして「自走」する自転車は普及しなかった。中国では免許もプレートも不必要だったため、電動自転車の普及が一気に広がった。「電動機付自転車」という新しい概念が定着したのだった。

さすがの中国でも電動自転車に関する規制が相次いで登場した。免許は必要な都市と不必要な都市もあるが、2011年、中国政府はリチウムイオン電池への転換を促すため、電動自転車の車重を40kg以下に制限して、重量のかさむ鉛蓄電池を実質的に禁止する方針を打ち出した。新たな国家標準では、電動自転車はペダル付きであること、最高時速が25キロ以内であること、時速15キロに達するとアラームが鳴ること、車両総重量(バッテリー含む)が55キロ以内であること、モーター定格出力が400ワット以内であること、バッテリー電圧が48ボルト以内であることなどが求められている。

いつの間にか、中国ではモーターと電池という組み合わせが普通になった。中国の人々にとって、エンジンとガソリンが当たり前だった時代がほとんどなかったから、電気自動車に対して大きな抵抗感はないといっていい。

筆者は、マイカーと公共交通手段の中間に位置しながら、第三の移動手段を模索してきた。高齢化の時代、運転免許を返納した高齢者の移動手段を考えて行く必要があると考えてきた。行きつく先は低速の乗り物である。そしてこの分野では日本は中国に学ぶ必要がありそうだ。