水道の民営化を進める政府の説明でよく出てくるのが「水道管の法定耐用年数」。「40年を過ぎて老朽化」という表現もある。

実は40年は水道管の寿命ではなく、減価償却のための基準として定められた会計上の年数にすぎない。現実に100年以上使用している明治時代の水道管もあり、40年未満で事故を起こす水道管もある。

堺市上下水道局のHPでは下記のように書いています。

「水道管の耐用年数は、地方公営企業法施行規則により法定耐用年数として40年と定められていますが、土壌など埋設環境により寿命は異なります。」

「堺市では、水道管の更新については、土壌と水道管を接触させないように防食対策を施している水道管は、60年から90年で更新を行い、防食対策を施していない管路は、40年から60年で更新することとしております。」

日本の水道普及率は97.9%。管路(水道管)の総延長距離は地球16周分の66万㎞。厚労省は「管路の法定耐用年数は40年」「改修を要する年間更新率は全国平均で約0.75%」と報告し、「全ての管路改修を終えるまでに130年かかる」と試算。水道事業関係者は、水道管の改修費を1億円超/kmと見積もっている。つまり政府によれば66兆円もかかることになる。老朽化した水道管の取り換えが自治体にとって巨額の負担になるというのは国民への脅しにも聞こえる。(文責:伴武澄)