灯台下暗しとはこのことだ。高知県須崎市では、コンセッション方式による下水道事業の民営化に突き進んでいることがわかった。月内に優先交渉者が決まる。応札できる条件は①過去5年間に公共下水道の全体計画、事業策定業務の実績を有する②県内に営業所または支店を有する-ものに限定されている。

 基本的に公営である日本で、「公共下水道全体」を業務として行う民間企業はいるはずもない。ウオー。ヴェオリアの出番かもしれない。須崎市は日本カワウソがかつて棲息していた地。しんじょう君が泣く。

 昨年12月18日付の高知新聞記事によれば、

「高知県須崎市の下水道民活が審査へ」

「1月末に優先交渉者決定」

 公共施設の運営権を一定期間、民間に売却する「コンセッション方式」による下水道運営を計画している高知県須崎市は17日、事業者の提案書受け付けを締め切り、審査に入った。公募型プロポーザル方式で、市の審査委員会が審査する。市は「公平性を期するため」として、事業者名や数を来年1月末の優先交渉権者選定まで非公表とした。

 契約は20年と非常に長い。

 2018年2月に実施方針を公表し、8月の説明会には県内外の12社が参加した。提案書は運営の考え方や収支計画、事業実施の適正さを確認するモニタリング計画などからなる。市の審査委員会(委員長=藤原拓・高知大学農林海洋科学部教授、6人)が事業者名を伏せたまま書類などを審査する。  記事では「書類審査に加えて来年1月9日に事業者から提案説明を受け、同30、31日に優先交渉権者を決定。順調に交渉が進めば契約は5月ごろ、下水道の運営開始は10月を予定している」という。

 参考までに須崎市のの募集要項には対象施設として

下水道管渠(約10キロ)

終末処理場(潮田町)

大間ポンプ場(潮田町)

須崎ポンプ場(港町)

須崎西ポンプ場(栄町)

処理場内ポンプ場(潮田町)

浜町ポンプ場(浜町1丁目)

下水道管渠(雨水)12キロなどが含まれている。