2月16日(金)のはりまや橋夜学会のテーマは「川喜田半泥子の陶工人生」です。日時は午後7時から。場所ははりまや橋商店街めろでぃー

「東の魯山人、西の半泥子」―昭和初期の日本の陶工の両巨頭である。茶をたしなむ人なら半泥子の名前は誰でも知っている。半泥子が特異なのは、三重県の地方銀行の頭取でありながら、器づくりに励んだことである。半泥子にとっての陶芸は茶席に使う器を自分でつくることだった。茶席には日本の政界や経済界の有力者から近くの農民まで幅広い人が招かれた。半泥子は茶席に出す料理も自分でこなした。茶席のもてなしは初めから終わりまで自らのやり方を貫いた。帰りにその場で使った茶碗はおみやげとして持ち帰ってもらった。だから半泥子は一度も作品を売ったことがない。芸術家は作品を売ることで生活を維持したのだが、半泥子は頭取としてすでに十分な収入があったから、作品を売る必要はなかった。