露天商1年で思うこと

はりまや橋商店街を僕のディズニーランドだと思っている。年間パスポートを買っている気分である。炭焼き、山菜採り、露天商、そして夜学会。実はどこまで続くか分からない。もっと面白いことがこれからも起きそうな気がしているからだ。
今のところ、老後どうやって生きるかという普通の人の悩みがないから不思議だ。自分が楽しんで、その楽しみが周りの人に伝われば、なお嬉しい。
でも、僕が今やっていることは誰にでも真似が出来るとは思っていない。まず露天商なんて誰もやりたいことではないはずだ。そんな仕事に喜びを感じる人がそうたくさんいるとは思えない。
環境のそうだ。まず都会ではできない楽しみである。近くに山があってこそ出来ることなのだ。高知では人と人との距離が近い。人と話していると必ず共通の知人がいる。たぶんそれは高知市が人間が住む上で適度の広さであるからなのだ。
人に会いに行く時、アポイントを取るなどということはほとんどない。「おるかや」と訪ねていくとまず相手はいる。これも不思議な社会だ。たとえいなくても、大した距離を移動しているわけではないから、落胆することもない。
露天商を始めてから、桜だ雪だと気持ちが高ぶることがなくなった。季節感を失ったのではない。週に何回も山に行っていると、すでに自分が自然の移ろいの中に溶け込んでいる気分になっているのだ。つまり特別なことがあまりなくなり、身体や精神がそれに順応しているとくことなのかもしれない。

伴武澄 について

新聞記者を定年退職後、高知市へ帰り、旧鏡村でシイタケとクレソンを栽培しながら、はりまや橋商店街で毎週金曜日に露天を商い、その夜に「夜学会」を開催するスーパーおじいさん。
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