金曜市を埋め尽くした中国人

 先週金曜日、はりまや橋商店街で露店を開いていると、「今日は大型客船が高知新港に着いて、中国人観光客がここにもやってくる」という知らせがあった。2000人が上海からやってくるというのだ。

 昼前から、はりまや橋バスターミナルに続々と観光バスがやって来て、商店街は瞬く間に中国になってしまった。普段の金曜市はそもそも日々の野菜や総菜を売るもので、観光客がそう買い物をするところではない。

 何が起きるかと思っていたら、たこ焼き屋の前が黒だかりになった。兄ちゃんとその連れ合いは汗だくになって、次々とたこ焼きを焼いている。中国語はおろか英語すらしゃべれない二人はそれこそ身振り手振りで注文をこなしている。昼過ぎには小麦粉がなくなり「Sold out」と書いてしまった。
 次に人が集まったのは隣の天ぷら屋。高知では薩摩揚げを天ぷらという。こちらも夫婦二人で毎金曜日、店を出している。いつもはあいている時間に他の露店を冷やかす店主はたこ焼き屋と同じ状態になった。てんぷらは揚げた先から中国人の胃袋に入っていく。

  中国人の爆買いというものを実際に目にしたことはなかったが、上京していた前の日の木曜日、用事があって銀座に行ったところ、歩道は中国人団体で埋め尽く されていて驚いた。そうだ国慶節の連休で中国人が大挙押し寄せているのだと合点したが、翌日、その人並みがはりまや橋商店街を埋め尽くすとは思っていな かった。

 面白かったのは、大型客船に乗っていたのは中国人ばかりではなかったことだ。西洋人もインドネシア人もインド人も大勢やってき た。話を聞いてみると、みんな上海まで来て船旅に出てきたという。たぶん、ネットで客を募集したため、中国以外からも多く参加したのだろう。船内で仲良く なったのか、中国人と他の国のカップルも多く見受けられた。

 仲間と話したことは、日本の客船だったらこうはならないだろうなということだった。中国人は国境をあまり意識しないのかもしれない。無頓着というか、大らかというか、非常に興味深かった。

伴武澄 について

新聞記者を定年退職後、高知市へ帰り、旧鏡村でシイタケとクレソンを栽培しながら、はりまや橋商店街で毎週金曜日に露天を商い、その夜に「夜学会」を開催するスーパーおじいさん。
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