喫茶店である週刊誌の水野和俊さんのインタビュー記事を読んだ。水野さんは高専出身ながら日産GTRの開発者として名を馳せた人物。3月に日産を退社したばかりだった。
 GTRは90%の出来、毎年進化させてきたけれどももう日産では進化できないと断言する自由人。
「自由にやらせてくれるなら『ヒョンダイ』のような海外メーカーでもどこでも行きますか」という質問に答えていた。
「その質問は『井の中の蛙』ですね。日本メーカーが韓国より優れていると思っている。欧州からみれば日本の車も韓国の車も何が違うかわからない。家電製品だってそう。世界のマーケットでは日本も韓国も差がないから値引き合戦が起き、収益が沈んだ。家電に起きることは車でも起きます」。
 実は僕は15年前からこのことを考えていた。日本はいまだに井の中に籠もったまま世界の姿を見られないでいる。日本の最大の問題は世界で起きていることが国内マーケットで起きていないことである。つまり家電で起きたことがまだ日本マーケットでは起きていない。だから、いつまでも井の中の蛙でいられるのだ。