年末も押し迫った。26日に発足した安倍晋三政権は早くも前政権の政策を相次いで葬り去ろうとしている。年明けに大規模補正予算を編成し「土木国家復活」を宣言し、「2030年代原発ゼロ」は見直される見通しだし、、「高校無償化」も風前のともしびだ。
 どうでもいいことかもしれないが、この国の法律はいつの時代のものなのか首をかしげざるを得ない道路標識に最近接した。高知市では「進入禁止」や「歩行者専用」の標識がやたら多い。その大部分に「軽車両を除く」と表示されている。僕はてっきり「軽自動車を除く」と解釈していて、高知に軽自動車が多いのはこのためではないかとも考えた。
 タクシー運転手の友人に「今度買う時は絶対、軽自動車だぜ、軽ならどこでも進入自在さ」と話したところ、数日たって「伴さん、あれは違う、軽車両ってのは自転車や人力車、馬車のたぐいでエンジンのついているものは入らない」と指摘されて驚いた。
 法令を調べると、なるほどそうなっている。道交法や道路運送車両法は次のようになっている。
 道路交通法第「自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつレールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの」
 道路運送車両法」 人力若しくは畜力により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具であつて、政令で定めるもの」
 まず「動物の力」や「畜力」の車両がいまどき日本の道路を走るとは考えられない時代錯誤。「人力」だってほとんど見られない光景だ。そもそもリヤカーや手押し車が車両だと認識している人はいるのだろうか。一方通行をリヤカーが「逆送」したら道交法違反を問われると知っている人もいないだろう。
 思わず、これらの法令が定義された時代を思い起こしてしまった。子どものころの風景として、東京でも馬車はあったし、リヤカーを引く姿も日常的だった。自動車の数より「人力」や「畜力」の車両の方が多かったかもしれない。だから、「人力」や「畜力」車両を規制する必要があったのかもしれない。
 確かに最近では自転車の「危険走行」が社会問題となっている。歩道を走るべきなのか車道を走るべきなのか議論がある。だが、車道を走っていい場合には必ずといっていいほど自転車の文字や図が標識に掲げられている。じゃ人力車やリヤカーや馬車はどうなるのという議論は一切出て来ない。
 問題は「軽車両を除く」という道路標識である。また道交法には「軽自動車」という概念はないのに、道路運送車両法には「軽四輪」の規定がある。ここがまぎわらしい。
でもたぶん、ドライバーが一番の苛立つのは道路網に張り巡らされた「進入禁止」「一方通行」の標識ではなかろうか。多くの場合、渋滞時の抜け道とされないようある時代に相次いで立てられた。幹線道路が広く整備され、抜け道として必要がなくなってもまだ立ったままの標識は地元住民にとってもはやじゃま以外もなにものでもない。
 ここらの多くの時代錯誤の法律をもう一度見直す時期にきているのではないか。