筆者の持論は、商店街への行政の進出である。高知市役所建て替え問題が浮上している今、初夢的に考えたのが、ダイエー跡地への移転である。グーグル地図上で見ると面積的に問題は無い。市役所への人の流れが帯屋町商店街に流れれば、商店街の活性化にもつながる。この発想は単なる移転ではない。市役所をアメーバのように市内に分散するという考えでもある。
 市役所で一番の人の出入りは市民課である。市民課は最も市民に親しみがある場所であるから、帯屋町商店街の空きスペースを賃貸すればいい。
 市役所の一階はもちろん図書館である。スターバックスでもドトールでもいい。喫茶店を併用してお茶を飲みながら「読書」や新聞・雑誌の閲覧ができるスペースが誕生すれば、図書館が待合場所にも変貌する。筆者なら毎日通うだろう。午前中を図書館で過ごし、昼食は帯屋町周辺の飲食店で・・・という生活になる。
 できれば市長室も商店街の一角に置けば、市長が朝から晩まで町内をうろうろすることになるから、市民が市長に声もかけやすいし、市長も日々、市民の生の声を聞くチャンスが増えるだろう。
 もちろん観光振興課は高知駅前か、はりまや橋に移転すべきであるし、防災関連の部署も町に出るべきである。そうすれば市役所の可視化が始まる。ラジオのサテライトスタジオも帯屋町に進出してもらえば、なおさらいい。
 商店街活性化、情報拠点の強化、市役所建て替えの一石三鳥となること請け合いである。高知に帰って8カ月。落胆したのははりまや橋の交差点に誕生した巨大なパチンコビルだった。高知医療センターが市内からとても不便なところに立地されているのにも驚いた。年寄りに「来るな」と言っているに等しいと思った。高知には町をデザインするという発想がまったくないのだと思わされた。高知には市役所の建て替えに他にも県と市の図書館合併構想も浮上している。
 もし高知市役所の建て替えが不可欠で、巨額の資金を投入するすることがあるのなら、ぜひ防災面だけでない発想の転換をお願いしたい。