心配な震災孤児の誕生
大地震の恐怖の最中だった15日(日)、都内の国際平和協会の事務所でセラピストの生井隆明さんと友人の大塚寿昭さんと話した。何ができるかではなく、何をしなければならないかについてだった。
国際平和協会は1年前からアフガニスタンの戦災孤児救済のための準備として、カブールで6年間にわたり孤児救済活動を支援してきたセラピストの生井さんの講演会を各地で開催してきた。2月には徳島市で1200人を前に「日本にできること」を訴えたばかりだった。
3人の会話では「アフガニスタンには申し訳ないが、アフガンどころではなくなった」ということで一致した。映像を見るかぎり「多くの学校が孤立化してい る」。大地震の発生時間は午後3時前だから多くの児童・生徒たちは学校にいたはずである。学校の多くは高台にあるため、無事だった人が多いはずだが、その 親たちは海岸近くに住み働いていたはずだから「多くの震災孤児」が生まれてしまうに違いない。そんな思いが先立った。
生井さんの話では極度の恐怖に遭遇した子どもたちはPTSD(心的外傷後ストレス障害)になる確立が高い。心の中にトラウマとなってちょっとした音や光 に刺戟されて錯乱する状況をアフガニスタンで限りなく多くみてきた。大津波の恐怖を目の当たりにした子どもたちもPTSDから逃れることは難しいというの だ。
生井さんは、子どもたちの興奮状態を鎮めるのに一番有効なのは大人たちが抱きしめてあげることだという。しかし、近代医学では医薬品の投与で症状を和ら げようとして体が本来持つ回復機能のバランスを崩してしまうケースが少なくないのだそうだ。ひどい場合には精神病院送りとさえなってしまう。生井さんは 「どうしてもそれだけは避けなければならない」という。
国際平和協会としてはそうした震災孤児の救済を支援できないかという議論になった。復興には時間がかかる。その間、子どもたちを預かる施設が必要になるかもしれない。いますぐというわけではないが、なんとかしなければならないということになった。
たままた生井さんは、アフガニスタンでの活動再会に向けて、セラピストの養成講座を開始することになっていた。
以下は生井さんのメッセージメールである。
現地でカウンセリングのボランティアをお考えの皆さんへ!!
現況:被災ショックを心身に焼きつけられた(トラウマ)人たちが、
やがて(時間的には個人差あり)、その後遺症=PTSD(頭痛・吐き気・
めまい・各種体痛・高血圧・不眠・悪夢・イライラ・ドキドキ・ハラハラ
・うつ・不統合・粗暴・怖がり・悲哀・パニックetc)で苦しみます。この時、医師に相談するとほぼ、精神科にまわされ各種抗うつ薬・安定剤
などの向精神薬を使用した、対症療法が中心の治療になります。
モノアミン仮説にもとずくだけの、薬理学も治療学もない製薬会社のマニアル
にもとずいた服薬を強いられます。
被災の悲しみ・苦しみが薬でとれると、本気で考えているんですね。トラウマ・PTSDはそれ専門のツールで解除・回復できます。
理論的には、ストレス脳科学・ストレス心理学がもとになります。
治験・臨床学的には、阪神大震災、台湾大震災、戦場のアフガニスタン・パキスタンでの活動経験があります。※ 3月29日(火)千代田区・神保町:学士会館にて開催します
「ストレス・セラピスト養成講座」の説明会の場でお話し致します。
是非ご参加ください。精神科医、心療内科医の先生方も歓迎いたします。
御参加お申し込みは以下からお願いいたします。主催:生井(namai)ストレス科学研究所 NPOアジア戦災孤児救済センター
代表理事 : 生井隆明 http://namai-stress.org