なにかおかしい金融支援策

 最貧国の一つといわれるバングラデシュの人口は1億5000万人。GDPは815億ドル。一人当たりGDPは1388ドルなのだそうだ。800億ドルだということは日本円にして約8000億円。GDP規模は世界第55位だから、貧しい国はまだまだある。
 日本が景気対策の一つとして大騒ぎした定額交付金の総額2兆円はバングラデシュの生み出す年間の付加価値の2・5倍にも及ぶことになる。昨年来の世界的金融危機でアメリカは金融支援策として100兆円を準備した。そのほか、70兆円の景気対策を打ち出している。日本の景気対策も50兆円を超える。
 金融システム救済の名目で使われる資金は南北問題を何回も解消できるほどの気の遠くなるような金額だ。
 なにかおかしくはないだろうか。
 先進国の屋台骨を揺るがす金融危機への対応は不可欠である。実体経済への影響を最小限にとどめる必要もある。しかし、長年蓄積してきた金融の歪みが一挙に噴出した危機であるだけに短時間で”治癒”するとは思われない。政府による金融支援策とは、政府が市場から借金するという意味でもある。10年前の日本で金融機関が相次いで破たんしたときにも考えたが、機能不全を起こした金融資本から政府が資金を調達して、金融機関にその資金を再投入するのだのだから意味が分からなかった。意味があるとすれば、政府の信用力だのみということだろうか。(伴 武澄)

伴武澄 について

新聞記者を定年退職後、高知市へ帰り、旧鏡村でシイタケとクレソンを栽培しながら、はりまや橋商店街で毎週金曜日に露天を商い、その夜に「夜学会」を開催するスーパーおじいさん。
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