2006年11月6日 証券経済倶楽部

 全国の高校で単位未履修が発覚した問題は、10月24日、富山県の高岡南高校で発覚してから、たった1週間で自民党主導で学生の救済策が打ち出され決着した。決着のスピードが異例だった。大学入試を控えた学生にとってはなんとか卒業もめどがたったが、問題はそんなに単純ではない。

■ 単位の偽装取得
 単位の未履修とだけいえば、知らないうちに履修しなかっただけのように聞こえるが、そうではない。
■ 未履修者の規模の大きさ
 文科省が緊急に実態調査した結果、未履修者は540校、8万4000人に及んでいたことが分かった。学校数で全体の10%、学生数で7%。7%を多いか少ないかだが、ほとんどが大学入試に絡んだ“偽装”であることからして、未来の日本社会の中核を担う若者である。そうした若者が受け身とはいえ、単位数をごまかしていたという事実は切実だ。
翌日、同じ問題を抱える高校が岩手県など全国規模の存在することが分かった。最大350時間の不足を抱える学生もいて「大学入試を控えていまさら補習なんて・・・」「このままでは卒業できない」と学生らから悲鳴が上がった。
 文科相は緊急に未履修の関する実態調査に乗り出した。結果はすぐに出た。公立私立併せて540校、8万4000人に上る未履修者がいることが分かった。政府・自民党はたった一週間で「救済策」を打ち出し、事態は一気に沈静化した。
 文科相や多くのメディアは「未履修問題」として対処した。しかし、問題は単なる未履修ではない。未履修問題は例えば「必須課目の世界史の単位を取得していない」「に加えて、必須教科の時間に受験向けの