執筆者:伴 武澄【萬晩報主宰】

■独り言です 大阪で心を傷めている上本保彰
私には経営者関係の問題についての理解は能力的に無理ですが、昔野球少年として夢を抱いていた一フアンの独り言を少し書かせていただきます。

5歳の時に、広島の原爆に遭って多くの親戚や知友を失いました。ドームから13㎞離れて田舎の百姓屋に生まれ育ったものの、あの強烈な閃光と轟音は今も鮮明に残っています。

その数年後に「広島カープ」が誕生しました。小学から中学にかけて、古自転車でガタガタ道をパンクを恐れながらも、2時間近くかけてカープの応援に行きました。嬉しくて嬉しくて…。

球場の玄関に樽が置かれていて、ポケットにある一円玉や五円玉を投げ入れて、カープの勝つこと祈ったのです。でも、負けることが多くて、帰りの自転車のペタルが重かったものでした。

幸い、私は恵まれて中学校の軟式野球と高校の硬式野球部で捕手をしました。高校二年時にプロのスカウトが来て、「君の打撃は良いが、背がもう5㎝ないと…」と言われ、169㎝の私はプロの道を諦めました。

私は現在64歳になりました。過去には生命に関わる病気もしましたし、精神的に逃げ出したい苦しい思いもしましたが、あの恐ろしい「ピカドン」と大好きな「カープ」が私をいつも救ってくれるのです。

私は心の中では「カープを育て、カープに育てていただいた」と思っているのです。プロ野球フアンの殆どの人はその様な心境だと思います。自分で言うのは厚かましいですが、こんな純粋な気持ちを持っているプロ野球フアンの気持ちを踏みつけないでいただきたいと思っています。
■労働組合とオーナー達 みのしま
オーナー達は高裁の判決が出た後も、高額年俸を取っているから労働組合ではないといっている人もいましたけど、日本球界よりはるかに高額なメジャーですら何回もストライキを認めている現状をどう考えているんだろうか。ファンが選手の高額年俸を嫉妬して、オーナー側にでもまわるとでも考えたのだろうか。しかし、いまだに阪神オーナーがライブドアに保証金に100億出せと言ってみたり、なんだかストライキの心配がなくなったシーズンオフに近鉄つぶしてそのままになってしまわないだろうか。心配だ。
■マスコミよ、「ファン、ファン」と絶叫する勿れ 匿名
近鉄・オリックス合併問題では地裁も高裁も選手側敗訴の判決が出したにもかかわらず、あたかも経営側が失態を演じたようなマスコミ報道はおかしい。マスコミは「ファンのため」という錦の御旗を掲げて経営側を非難しているが、それはプロ野球がなくなっては自分達の商売が立ち行かなくなるからであって、決して「ファンのため」ではないだろう。

「合併の1年間凍結」などという太平楽は自分の財布が傷まない側の言い分であって、現実的ではない。40億円の赤字を消すのは経営の問題とは必ずしも言えまい。その解決策はファンが球場に足を運ぶ以外にない。しかしファンは大阪球場に足を運ばないだろう。何故なら近鉄の試合なぞ何の魅力もないからである。

人間というものは「価値のない」ものに金を払うことはしないものである。かつて帝国陸海軍華やかなりし時代、「貧乏少尉にヤットコ中尉」という言い回しがあったほど将校の俸給は安かった。当時の国民は「役立たず」の軍将校に高い給料を払わなかったのである。近鉄の選手は役立たずであるにもかかわらず、破格の年俸を取っている。これが40億円の赤字の原因である。こういうチームは即刻廃止すべきである。

2千年前、衰亡期のローマ帝国市民は「パンとサーカス」を為政者に無償で要求したが、現代のプロ野球ファンも似たようなものである。茶の間に寝そべりながら無償の娯楽を求めている。マスコミよ、「ファン、ファン」と絶叫する勿れ。
■見識疑う球団数削減 辰見 根音
私は、今回、近鉄=オリックスの合併問題に端を発した、球界再編問題は、「構造改革」でも何でもなく、「野球界」という旧態依然のピラミッドに胡坐をかいて来た球団と選手たちの驕りと弛み故の産物だと見ています。 サッカーがJリーグでの初期の失敗から立ち直り、野球人気を凌駕しようという時に、なぜ、球団数削減なのか!?見識を疑います。

国民スポーツの象徴として、復権できるかどうか!?という時なのです。 やるべき道筋は簡単に見えています。①野球界の組織の位置付け(格付け)の再編:正しいリストラクチャリング②底辺拡大のため、民・自治体・教連合でカリキュラムを作る③同時に、多様な「進学」ルートを創設し、新球団も招聘する④アジアリーグの創設と大リーグとの位置付けを明確化する⑤W杯よりも、コンフェデーレーション・カップ(五大陸リーグ)を推進する。

北米の雄:アメリカと南米の雄:キューバを筆頭に、アジアの覇者:日本に欧州の兵が集い、アフリカからチームが育って来たら、サッカー並みの人気になるとは思いますが…野球は近代スポーツなので、これからです。
■12球団すべて身売りして 瀬戸 啓輔
今回のプロ野球再編についてですが、今週末のストは避けられないと思います。この際、セもパも解体してゼロからやり直すべき時にきていると思います。経営陣の対応には腹が立ちますが、今の世の中、自分の都合しか考えない人間がこの日本を引っ張ってきたのですから仕方ない結果だと思います。この際、12球団すべて身売りして野球が好きな経営陣に経営をさせればいいのだと思います。(理想論ですが)

任天堂がマリナーズの株主であるように、いわゆる外資系企業に入ってもらって今よりも風通しを良くして今回の騒動をいい教訓として立ち直って欲しいものです。アジアリーグを立ち上げようなんて、論議がありますが無理だと思います。前にも書いた通り、自分の都合しか考えられない経営陣が国際的な経営ができるとえません。

今回のようなやり方ではアジアの人たちからも信用がなくなります。それは、日本の恥というものです。アジアリーグを考えるならもっと国際感覚が必要になりますからね。