執筆者:伴 武澄【萬晩報主宰】

今夜、三重県の医療関係者と懇談して、驚いた。株式会社の病院があるというのだ。それも麻生総務相の関係するグループの麻生飯塚病院(福岡県飯塚市)なのだというから二度驚かざるを得ない。規制緩和のひとつに病院経営を株式会社に委ねていいのかという議論が続いているのは大方の読者の知るところだろう。

小泉内閣の郵政民営化に反対している麻生総務相のおひざ元ですでに病院の“民営化”が行われていたのだとしたら、これほど奇怪なことはない。

厚生労働省もずいぶんと国民を騙してきたものだ。病院は国民の福利厚生のために存在するのだから、企業化にはなじまないというような議論をしてきたのだ。じょうだんにもほどがある。

閣議という日本の政策を決定する最高議決機関に属する閣僚の一人の関係する病院が株式会社で経営されていた事実をどうして公表しないのか。麻生総務相は一つ国民に対して背任行為をしたに等しい。

病院の経営などなんでもいいのだ。そもそも個人経営もあるし、協同組合経営もある。良質な診療をしてくれさえいれば経営形態などなんでもいいのだ。

閣僚も議員も役人も、国民の血税でくだらん議論はもうやめてほしい。