2003年02月20日(木)萬晩報通信員 齊藤清

 ブッシュ政権のイラク攻撃がどうなるのか–。世界中の関心はここに集まっていますが、ギニアではどうでしょうか。ご意見をお聞かせ下さい。
 小生も昨夜、意見表明をして、萬晩報としても一応、日欧米発の意見が出て、そうだ中国とアフリカからの発信がないことに気付きました。

 寧波の岩間さんにもお願いしています。二人からご意見をいただけると「ワールドワイドの通信網を誇る」萬晩報としても面目がたちます。(03/02/19/21:34 伴武澄)

 昨日の「萬晩報」の意見表明は、まことに妥当なものとして受け止めました。 参考までに、西アフリカ・ギニアの状況をお知らせしておきます。

 2月14日、ギニアの国連大使は国連の非常任理事国として、安保理で次のような態度を表明しました。

 『イラクの大量破壊兵器の破棄の状況をしっかりと知ることが基本であり、そのためには、査察をさらに継続する必要がある。またイラクは、引き延ばし戦術を取ることなく、査察に積極的に協力すべきである』

 この後日本外務省は、在京ギニア大使館の臨時代理大使を呼び、米英両国が準備していたとされるイラク攻撃容認の新決議案を支持するよう要請したと伝えられています。ギニアに対しては、ODA経済協力の額が他の先進国を抜いて一番多いことから、その影響力を行使した、というところでしょう。

 しかしながら2月17日、ギニアの外務大臣は国営放送を通じて、先のギニア国連大使が表明したと同じ姿勢を国民に説明し、イラクへの攻撃には賛成しないことを言明しました。

 この態度は、ほとんどのギニア国民の意見とも合致するものです。これは、国民の大部分がイスラム教徒であるということから来るものではなく、ことに911以降の早い時期に、アメリカの独善的な行動のいかがわしさに気がついたことに起因するものであると思われます。この国では、ヨーロッパ、アラブ、アメリカ等からの衛星テレビ放送を、ごく日常的に視聴していることから(自国の放送が貧弱であるためなのですが)、かなりバランスの取れたものの見方をする習慣がついていて、少なくとも海外の事象については、「翼賛的報道」が成立しにくい環境にありました。

 はじめに攻撃ありき、破壊・殺戮がすべてという昔の西部劇の世界が現在も生きているアメリカに対して、発展途上国と呼ばれる国の人々が優越感を持って、”SAUVAGE”(原始の、未開の)という形容詞を使って彼らの動きを評価している様子は、なんとも皮肉に思われて仕方がありません。いずれにせよ今回の侵略戦争は、その準備段階で、ブッシュ大統領主演(監督は匿名)の三文喜劇に成り果ててしまったようです。

 齊藤さんにメールは mailto:BXZ00155@nifty.ne.jp