EU並みの経済圏に 秋田魁2002年7月26日
「北東アジア経済シンポジウムin秋田」が25日、秋田市のシャインプラザ平安閣秋田で開かれた。パネル討議などを通じて同地域の新たな連携の枠組みを探ったほか、本県独自の魅力を対岸諸国に発信する必要性などが指摘された。
同シンポは秋田商工会議所、県環日本海交流推進協議会、学生ら約60人が出席。北東アジア経済フォーラム上級研究員の中野有氏が、「北東アジアのグランドデザイン」をテーマに講演した。
中野氏は中国の経済成長や、豊富な天然資源を抱える極東ロシアの発の可能性を示しながら「20年後を想定した市民レベルの交流を進め整備を行えば、北東アジアはEUなどに匹敵する経済圏になるだろう」と
語った。
また、「予測される北東アジアの軌跡」と題して講演した共同通信ニュースセンター整理部編集委員の伴武澄氏は、この十年余りでアジアが生産基地からマーケットへ急成長した経緯を説明。「アジアのミラクル」と呼ばれる中国の経済の発展が北上しているとし、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の羅津・先鋒地区についても「政治の枠が取り除かれれば成長の可能性は高い」と述べた。さらに、東京中心の考え方を批判、[東京にフォーマットされていない地方が多く出てきた時、日本は再生すると思う]と語った。
つた。
この後、両氏とジェトロ秋田の林道郎所長がパネリスト、千葉康弘秋田経法大教授がコーディネーターを務めてパネルディスカッションを実施。本県の観光資源を生かした交流推進や、ロシア・ポシエト航路の活用について活発に意見をを交わした。
02.07.26
北東アジア経済シンポジュムin秋田
開催趣旨
秋田・ソウル国際定期航空便・国際コンテナ海路が整い秋田県の環日本海交流は新たな段階を迎えております。本県経済の国際化、とりわけ環日本海交流を推進するうえで秋田県は今後どのような役割を担っていくのでしょうか。NIRA(総合研究開発機構)の政策研究・「北東アジアのグランドデザイン」の中心メンバーである中野有氏、伴武澄氏を講師に迎え、シンポジウム形式で、北東アジアの現況と国内各地域の役割について理解を深め、秋田県の方向性を皆さんとともに考えていきたいと思います
中野有氏は、北東アジア地域に関する国際協力について長年研究されており、現在報告書がまとめられつつあるNIRA北東アジアグランドデザイン研究のコーディネーターをつとめられています。また、本年9月より米国Brookings研究所のFellowとして、北東アジア研究プロジェクトに参加することが決まっています。経済協力、安全保障(予防外交)等について幅広い論議が期待できます。
伴武澄氏は共同通信取材記者として中国、国内各地での豊富な経験を有し、98年1月よりインターネットコラム「萬晩報」を主宰し提言・情報を内外に発信しております。秋田をどうするかの…幅広い論議が期待できます。
シンポジュム:北東アジアのグランドデザインー秋田の行方を探るー
課題提起I 「求められるグランドデザインー北東アジアから見るー」(40分:15時45分)
講師 北東アジア経済フォーラム上席研究員
コーエイ総合研究所 主任研究員 中野 有(なかのたもつ)氏
問題提起Ⅱ 予測される北東アジアの軌跡一地域の対応-」 (40分:16時20分)
講師 共同通信編集局ニュースセンター整理部編集委員 伴 武澄(ばんたけずみ)氏
・ パネルディスカッション “どうする秋田・・?”(60分:16時30分から17時30分)
いま、日本の方向性が問われている。日・本の中の秋田、北東アジアの中の秋田の方向性はこれでいいのか?新たな視点で秋田の方向性を探る。
環日本海圏域の諸国は日本に何を期待しているのであろうか?覇権国アメリカ、ヨーロッパからの視点をも踏まえ中野氏・伴氏の豊富な経験を通して秋田の行方を検討する。
JETRO秋田の林所長をパネリストに加え、千葉教授をコーディネーターに“秋田に何ができるがをワークショップ方式で参加者の皆さんと共に考えてみたいと思います。
・北東アジアグランドデザイン構想に対する秋田の対応-コンテナ海路、国際便etc
・日沿連の取り組み
・東経連の取り組み-4経連の取り組み
・秋田県の取り組み一県一産学官・民そして金の取り組み一市町村レベルの取り組み
・経済界の取り組み一各種構想
・「構造改革特区」構想一活用の仕方、FAZの見直し?港活性化プロジェクト
・臨海地帯の利活用一大王製紙跡地の利用、国際物流基地化etc
・極東ロシア経済事情セミナーでの課題(遺棄化学プロジェクト)に対する討議など
・各諸団体の対岸ミッションの検証・連携etc
・国際系大学の開設
・秋田のNGO/NPOの取り組みetc