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投票に行って国政変革の審判を下そう
2003年11月09日(日)
萬晩報主宰 伴 武澄
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きょうは衆院選投票日。筆者もさきほど妻と一緒に投票を済ませてきた。世田谷区上用賀というところに引っ越してきて5年近くになり、多くの選挙で投票をしてきたが、投票所となっている近くの小学校で投票を待つ列が出来ていたのを見るのは初めて。東京地区は幸い雨も降らずそこそこの天候。投票率が高まるのを祈るばかりである。
これまで数々の総選挙で「保革逆転」「与野党逆転」を好そうされながら、昭和55年以降、一度も逆転が起きたことがないのが日本の政治風土だった。「もうそろそろ!」「今度ばかりは!」といった思いの人も少なくなかったはずだが、毎回その期待は裏切られてきた。
今回の選挙はマニフェストを前面に押し出し、政策論争が繰り広げられた。このことは大きな前進だったと言わざるを得ない。これまでの「お願いします」の連呼はすっかり姿を消した。たまたま出会わなかっただけのことかもしれないが、筆者はこの12日間、一度も選挙カーによる連呼を聞かなかった。妻にも子どもたちも同じことを言っていた。
選挙期間中、街がほんとに静かだった。本当に選挙は盛り上がっているの不安にさせられたが、各党ともメディアを相当程度駆使した選挙だったし、メディアの方も相当程度、マニフェストに焦点を絞り、各党の違いを浮き彫りにする努力を努めた。この点でもかつての選挙風景とはかなり様相を異にしてきたことは確かだ。今後、選挙カーによる連呼は姿を消すのだろう。
首相公選制を求める声が高まった時期があったが、今回の総選挙を見る限り、選挙の構図はすでに首相公選制に近づいている。選挙で勝利した党首が首相になるという図式が当たり前になれば、首相公選制など導入しなくともいいことも分かった。自民党総裁選で、小泉純一郎氏が「総裁選で勝利した人の公約が総選挙での公約になる」と喝破したことがほぼ実現しているといえよう。
最終的な投票率も分からず、投票の行方も分からないこの時間に多くを語るのは時期尚早といわれかねないが、日本の選挙も少しは進歩したかなという印象を得た。
小泉氏は「自民党をぶっ壊す」と言った。かつての自民党的体質はほぼ崩壊状態となった。自民党を壊すとはつまり古い日本的体質を壊すことである。その面で小泉氏は十二分にその役割を果たした。問題は壊した人たちが新しい日本を創造するエネルギーを残しているかということである。新しい日本を創造する役割は本来、別の人たちに委ねられるべきなのである。
まだ投票に行っていないみなさん。投票に行きましょう。高い投票率で国政を変革するような国民の審判を下しましょう。(11月09日午後0時)
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