牛1000頭を北朝鮮に贈った現代グループの鄭周永氏【環日本海経済通信】
1998年06月18日(金) | |
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金大中氏が大統領に選出された後、朝鮮半島の南北間関係は改善の兆しを見せており、相互交流や往来も増えてきた。これは、金大中氏が「平和、和解、合作」という、北方に対する「陽光政策」を取っているのと深く関係ある。
赤十字会が積極的に斡旋
鄭周永氏が「不帰橋」を3回渡る 鄭周永氏は現代グループの創業者であり、1989年に既に2回も訪朝した。その際に、北朝鮮側と会談し、金剛山の開発、船舶修理工場と自動車組立工場の設立など、三つの項目に投資することで合意した。ところが、その後の南北関係の後退で実現できなかった。今回、彼は高齢で身体が不順であるにもかかわらず、まだ決着が着いていない前回の投資案件について話し合うために、自ずから再度の訪朝を決意した。彼の訪朝は既に韓国政府によって許可されている。同時に、鄭氏の訪朝を前後に、韓国政府は対北朝鮮支援策を強化することで支援制限を緩和した。つまり、戦略物資以外の全ての物資を支援でき、戦略投資項目以外の全ての分野で投資できる、という決定を発表した。 鄭氏は訪朝を前に、北朝鮮に1万トンの食糧と1000頭の耕牛を支援することを決定し、故郷の北朝鮮に対する無償援助のお土産としている。南北赤十字会の協力を通じて、1万トンの食糧は既に北朝鮮の元山港に着いた。他に1000頭の耕牛は、板門店の「不帰橋」を通って50台のトラックに乗せて北朝鮮に運ばれるという話しもある。
平和の使者が文化交流を促進 他の消息によると、北朝鮮の錦湖で軽水炉建設(KEDO)現場で働いている韓国の労働者は、今年の夏より付近の療養所で療養や魚釣りができるようになったという。最近、韓国の小天使芸術団は北朝鮮を訪問し、首都の平壌で3回の公演をした。また北朝鮮の名勝である金剛山を遊覧したという。韓国文化財団と北朝鮮アジア太平洋和平委員会との協議に基づいて、北朝鮮の万寿台少年宮少年芸術団は今年の秋期に韓国のソウルを訪問し、公演する予定であるという。 観光の面で、韓国と北朝鮮との間では、北朝鮮の羅津・先鋒地区に「観光特区」を共同で設立し、韓国の観光客が羅津・先鋒を経由して中国に入り、中国や第3国の観光客も羅津・先鋒を経由して韓国に行けるような「連続旅行」(韓国の速草−北朝鮮の羅津−中国の延吉を結ぶ観光ルート)を実現するための交渉が行われている。
別れは簡単だが、逢うのは難しい 離散家族の再会を促すために、韓国は赤十字会を中心に、新聞社や研究機関が参加した「民間団体協議会」を発足した。この協議会は離散家族の再会事業を推進するために、情報を交換し、諮詢を提供するほかに、離散家族の調査団を随時に派遣できるような準備を進めている。今年の3月に、北朝鮮の安全部にも離散家族の査詢処が設けられた。 北朝鮮の「労働新聞」の報道によると、この査詢処が設立して間もなく、多くの人からの親戚捜しを依頼する手紙を受けているという。しかし、査詢処の仕事は韓国にいる親戚の依頼を直接に受けいれるのが不可能で、北朝鮮の人は第三国を通じて韓国にいる親戚と交信や面会が可能である。とにかく、北朝鮮当局は南北の親戚が第3国で逢うことを黙認している。今後の1年以内に、1985年のような離散家族の再会の盛況が実現できるのかどうかは予測できないが、親戚再会の機会は増えていくだろう。
祈願は実り難い メディアケーション(東京都、代表平岩優)とNEAR総合研究機構(島根県、川口耕一代表)のホームページ 【環日本海経済通信】より掲載しました。 トップへ 前のレポート 次のレポート |
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