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【読者の声】03月11日プリウスの衝撃

1998年03月21日(土 )
萬晩報主宰 伴武澄



 1998年03月11日付萬晩報 「プリウスの衝撃-電気自動車普及への近道」にも多くの感想やご意見をいただきました。路上で二酸化炭素を出さなくとも発電所で出せば、一緒だという意見が多かったが、ガソリンのエネルギー交換率が35%程度といわれるのに対して、モーターは90%以上です。発電所での90%を超す交換率から5%程度の送電ロスを差し引いても電気自動車は二酸化炭素抑制に効果があると思います。以下、読者の声を掲載します。

 ●電気自動車に二酸化炭素抑制効果はない
 「電気自動車普及への近道について」の件は少し意見をします。まず電気自動車ですが、二酸化炭素の排出に関しての効果は見込めないのじゃないですか?走行中は二酸化炭素を出しませんが、電気を起こす時に二酸化炭素を出します。発電がすべて原子力にならば別ですが、火力発電で電気を起こし、それで走行する電気自動車は途中のパワーロスが大きい分、一説によると通常のガソリン車より二酸化炭素の排出が多いのです。だから電気自動車が増えれば良いと言う物ではないのです。

 プリウスですが、これは見事にイメージ付けに成功している商品ですね。ハイブリットで50%も効率を稼ぐのは、少し無理だと思いませんか、発電ロスは60%、モーターが70%ぐらいしか力量が出せませんので、電気で補助できる力は28%になりますね。外部からのエネルギーの供給が無いので、アイドリングの分を割り引いたとしてもせいぜい40%オフが良い所でしょう。どこかで数字のマジックが使われていますね。証拠に燃費が公表でリッター28キロでしょ、本田のCVCCや三菱のGDIとそんなに変わらないじゃないですか。

 燃費、イコール炭酸ガス排出量と考えると、特筆するほどの効果はないはずですね。その上5年後にはバッテリーがゴミとなりますね。5年後にゴミが出る分環境に悪いのじゃないですか?本当に環境の事を考えるなら、低エネルギーのCVCCやGDIの軽自動車が現時点の技術ではもっとも環境にやさしいはずですが、儲からないから出ませんね。環境より経済を優先しているのでは環境問題は解決しません。

 トヨタのエコプロジェクトの目玉として出したプリウス、しかし大排気量のデーゼルを平気で販売している事を考えると、本気で環境問題に取り組むつもりはなく、企業のイメージのアップの為のみにやってるしか思えませんね。本当に環境を考えるなら大排気量エンジン車は全廃するぐらいの気概が欲しいですね。
 (中略)  環境問題は本当に始めなければ人類の生存に関わる所まできています。経済よりも人類の生存の方が大切だと思うのですがね。
 欧米よりゆるい大気基準、ガソリン車は国際基準で規制をかけるのに、野放しのディーゼル、都市部での販売を自粛させたのは環境庁で悪影響がある事を認識したのでしょうに、何故地方ではそのままで販売を許可するのか理解に苦しみます。まぁ自動車協会やトラック協会あたりに環境庁のOBがいてるのでしょう、深夜のトラック便が取り締まれないのもそのせいですね。
 本当に、二酸化炭酸の排出をへらすつもりはあるのでしょうか?自分らの利権や利益供与、天下りで本当に規制すべき所を見逃して、一般国民に「エネルギーを使わないようにみんなで努力しましょう」じゃ環境問題は良くなりませんね。【匿名】

 ●自動車評論家ほど理解していない重要性
 プリウスの重要性は、いわゆる自動車評論家なる凡人俗人ほど、理解していないようだ。評論家は未だに燃費や乗り心地、加速性などと通常のクルマに対してのみの通り一辺倒の評価しか下していない。この革命的乗物プリウスの重要性は、むしろ一般消費者の認識が高く、次にメーカー、そして国などの公共機関、最後に評論家だ。私はトヨタとはなんの関係もないが、この車を語るにふさわしい言葉をいくら自動車雑誌などで探しても、みつからないでいる。【東】

 ●自分の町だけがきれいになるのでは都合が良すぎる
 電気自動車の「電気」のもとをお考えになったことがありますか?貴殿は効率(スタートには高トルクのモーターがいい)とお考えのようですが、ほとんどの人の感想は自分の住む町の空気がきれいならばそれでいい、というのはちょっと都合が良すぎると思うのですが。【匿名】

 ●ディーゼル車を優先しなければ無意味
 今回は記事としての情報が皆無である。感想意見を羅列します。
 1.電気自動車の普及を阻害する最大の要因は、充電時間がかかることである。いったん燃料切れした場合、次の走行まで何時間もかかるのでは、安心して車に乗れない。次に蓄電池の性能、価格である。
 2.量産が軌道に乗れば、価格が下がるのは誰もが知っている。モーターショーに展示されるコンセプトカーでも億単位のものは、ざらである。
 3,.充電時間の解決策として、水素を利用する燃料電池による電気自動車が最有力視されている。(水の電気分解の逆を利用する)開発に力を入れ進んでいる会社として、トヨタとメルセデスが有名である。
 4.自動車の環境問題を考える場合、その支配的原因であるトラック等ディーゼルエンジン車を優先して考えなければ無意味である。(例えていえば、原因の10%のものを90%減らしたところで9%の改善にしかならないが、90%が50%の改善を行えば、45%の改善になる)この意味で、ディーゼルエンジン車を後回しにし、自家用車の規制を優先する、通産省の新たな排ガス規制に反対する。環境対策ではなく、アジア産自家用車への非関税障壁の意図が伺える。
 5.NOxの削減効果は評価する。CO2はエネルギー問題を環境問題にすりかえる情報操作と考えている。エネルギー問題解決の第一歩として評価する。
 6.プリウスが電気自動車用蓄電池量産の道を開いた意味が大きい。電気自動車実用化のスケジュールの第一歩として有効なことは言うまでも無い。
 7.静粛性、振動の少なさも、もっと評価してよいのではないか。騒音問題も大きな問題である。ロードノイズの改善。このための道路自体の問題も、考えるべき時にきている。【匿名】

 ●ハイブリッドこそ環境配慮車
 電気自動車であればなんでもよいのではないと思っています。環境に配慮した電気自動車というのはプリウスのようなハイブリッドである必要があるのです。第1に電気を作る大発電所または原子力発電所の建設にコストがかかる。安全性に、送電にコストがかかる。また大量の地下資源を消費するわけでです。次にエネルギーの利用からみれば一次エネルギーを電気に変えて、その上動力にするというのは、効率の面からみれば全くどうしようもない。まるでどっかのお役所仕事と同じなのです。第3に電気自動車が普及すると消費電力総量がますます増加して、さらなる発電設備を必要とする。そのための住民の合意が必要になったりする。新たな発電所が環境問題などを引き起こす。電気自動車の普及は一見クリーンにするようですが、そのためのエネルギーを得るのに地球にどれほどの損害を与えていることになるかはかりしれません。その点、プリウスのすごいところはガソリンを使って動いたことによって得られたエネルギーを電気に変えるのです。少なくとも一次エネルギーの消費量は格段に減り、その上電力を消費することもない。この点がすごいのです。【匿名】

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