昨日いっぱいで椅子張替えの作業が終わり夕食後、ヴィカが手直しの筆を取った。朝7時ごろ起きて見ると大きなメインテーブル、8個の椅子、長椅子、2個のサイドテーブル、アーム付き椅子等がモデルルームのようにきれいにセットされていた。これでやっと引越しパーティが出来るねと寝ないでがんばったヴィカに「お疲れさん!」とトルココーヒーで乾杯し?それから彼女はベッドにもぐり込んだ。きっと夕方まで休むだろう。
今日は一人で少し散歩して見ようと表通りを西へ歩いた。ぶ〜らぶ〜ら物珍しげにあるいてたら15分程で大きな公園にたどりついた。公園というより森みたいだ。道路の上からは真っ直ぐ目の前に開けた場所に山の中腹まで続く噴水装置しか見えない。水は出ていない。
下に降りようかどうかしばらく迷ったが、子供連れの人をみて一階分ぐらいの階段を降りていった。以外にも樹木に隠れて小さな遊園地があった。メリーゴーランド、コーヒーカップ等10個ぐらいの施設がそろっていて人も多くすっかり安心した。向こうの外れにトイレが見えたので恐る恐る入っていくと何故か入り口奥に机やミシンや布があり太ったおばあちゃんがデンと座っている。トイレいいですか?と聞くと行って行っての手振りでそっけない。
しかし私にとっては大いなる安心を得てトイレに入る。えっ?ドアーが無い?思わず数十年前のモスクワを思い出した。あの時も公園墓地の大理石の立派なトイレだったのにドアーが無かったっけ。(壊れてるわけじゃあない、最初から無いのだ)。
まっいいか!と奥へ入る。さて用を足して外へ出ようとしたら額に皺を寄せたおばあちゃんが手を出す。「えっ何?」という私の怪訝そうな顔に20テトゥリと書かれた壁を指す。
そうかそうか有料だったんだ。イズヴィニーチェ(ごめんなさい)と財布を開けたが生憎く細かいのが無い。カーサ(両替所)へ行きなさいと100メートル程先を指差す。しかしカーサの窓からはニェト!とにべもな返事。そうだと思い売店でジュースを買ったが2ラリちょうどでおつりなし。
お菓子売り場やカフェで頼んでも全く駄目。あーあどうしようこのまま行っちゃおうかなと悪い考えが頭をかすめたが、例えわずか20テトゥリ(12円)でも日本人の私にはそれは出来ない。ふと見るとトイレ係のおばあちゃんがのっしのっしとこちらに歩いてくる。さっぱり戻らない私を怒っているのかなと思ったらカーサの所まで行き両替してるではないか。私にはしてくれなかったと訴えたら私の手から1ラリをさっと取り両替して60テトゥリおつりを渡してくれた。(1ラリは100テトゥリ)殆ど無表情だったけど案外親切なのかも知れない。
さてそろそろ帰ろうとさっと公園をまわってみたらテニスコートやレストランやらまだまだ何かあるみたいだ。テーブルと椅子がある木陰ではおじさんグループがお酒を飲みながら何かゲームに熱中しているし小道沿いに並ぶベンチでは、カップルが仲良くしている。
この森公園はあまりにも樹木がうっそうとしてるので近くに行くまで様子がつかめず、あちこちに目つきの悪い若者たちがたむろしてるのを見ると夜はかなり危険そうだなと思った。
そういえば公園の入り口横にケーブルカー乗り場があったので値段や時間を調べようと覗いてみた。朝9時から9時まで営業、片道40テトゥリ(24円)とロシア語で書いてあった。結構遅い時間まで・・と思ったが4月でもすでに8時半頃でも明るい。山の上まで続くケーブルの線を目で追ったがどうも動いてないようだ。誰かが今週の土曜日から動くよと声をかけてくれた。シーズンがきて開けるのか故障が直って動くのか定かではない程建物はくたびれている。でもやっぱり一度乗ってみようと思う。
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