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【読者の声】球界を閉鎖系から開放系へ

2004年10月09日(土)
萬晩報主宰 伴 武澄

 ■興銀マンの臭いがぷんぷんと  K Ishio

「球界再編」と言っていいかどうか、今回の球団側と選手会との闘いは、そもそも球界に全くの関心がなかった私にも、思わず記事に目を通させることになったできごとだった。ナベツネ氏の「たかが選手」発言と、買収に名乗り出たライブドアの社長を「どこの馬の骨か分からん奴」(と言ったかどうか、そういうニュアンスであった)発言に「へー、球界ってそんな世界だったの?」と思わず口走ってしまったものだ。

実に「驚いたナー、モー」だった。そして、さらにイケスカナイという気がしているのは、ライブドア潰しのためなのか、財界人をバックにして出てきた楽天の三木谷氏。日本興業銀行はいまは昔の銀行であるが、三木谷氏の雰囲気にはやはりかつてのエリート意識丸出しの興銀マンの匂いがふんぷんとする。金融再編で、とにかく興銀の姿が見えなくなったと「ほっ」としていたら、こんなところにまた顔を出すか。大が小を飲み込んで、ビッグバンが展開された金融界、「球界再編」の動きも私にはなにやら同じ顔に見えるのだが・・・。

アフガン攻撃に始まった米国の中東地域への侵略戦争の展開は、「正義がなくとも強いものが勝つ21世紀」という恐ろしい時代を迎えたという感じがして、心底暗い日々を送る私だったが、今回の選手会のストに対して「野球は見たいが、選手会を支持」といったファンたちの姿を見て、健全な日本人が存在していたのだ、との思いがした。久方ぶりに「ほっ」としたできごとだった。

 ■議論がない「何のために存在するのか」  村井

今回、イチローの記録映像が何回も流れましたが、誰も相手のピッチャーやベンチが記録防止(あからさまな四球とか)をさせておらず、普通に勝負していました。そこには、人種/出身国の差別はなく、全て大リーガー選手の一員としてのイチローとの対戦でした。日本のストや合併問題で、一番感じる事は、何の為に「プロ野球」は、存在するか?の議論がありません。単なる会社の、宣伝物の1つして始まった「プロ野球」が、70年が過ぎた現在も、相変わらず親会社から独立した存在になっていません。経営者側が、どうしたら存続出来るか?利益を挙げる事が出来るか?を考えた時、大リーガーは、どんな方法で対応してきたかを、考えれば、今回のような事態にはならなかったような気がします。

オーナーと言っても、自前のお金でオーナーになっている人達なら兎も角、サラリーマンのオーナーでは、全く出発点が違います。選手は、一年契約の自営業者なのですから、自分の費用で代理人を選んでも、問題無いと思いますし(自分の会社の裁判には弁護士を選ぶのと同じ事と思うが)、外人枠なんて作る事事態が、日本選手の、大りーグでプレ−をしたい日本の多くの若者の、夢を壊しています。イチローや松井の活躍を機会に、お互いの交流をもっと手軽にする事で、変わって欲しいと思います。

 ■毎日の台所事情?  カバサワ こうじ

何事も中身が大事だ。が、一般紙の中身はほぼ同じだから、そのページ数を比較することが許されてよい。ページ数ナンバーワンは、読売、対しもっとも薄いのが毎日。配達員にもっとも多数の中国人留学生を使っているのがやはり毎日。ちなみに、日本人の配達員は、週に一日の休みが取れるが、中国人は、月1だ(新聞休刊日だけ)。

 毎日の台所は、これまでもたびたび「火の車」とささやかれてきた。が、今日では、いよいよ大火災なのだろう。証拠の一つに、聖教新聞の印刷引き受けがある。学会批判は、毎日には皆無である。もっとも他紙も広告収入への配慮から批判がない。果敢に批判しているのは、道新と週刊ゲンダイだ。毎日のナベツネ特ダネは、その台所事情から出たものであろう。

 ■正力松太郎までさかのぼらないと  数太

週刊文春の記事に加えて、長島氏の突然の登場に世の中沸いていますが、 本当の筋を抑えていないのではないでしょうか。 きっと。別の方向に流れてしまうでしょう。

行き着くことろ、正力松太郎までさかのぼらないと日本のプロ野球の裏はつかめないと思います。 そして、読売新聞の歴史を紐解く必要が あろうかと思います。

なぜ、内務官僚だった正力が民間にくだり、さらに読売に入り それとともに職業野球をはじめたのか。そのときから 亡くなるまで、政財界にどのようにして網の目を張ったの。 この辺から紐解かなければ、問題の根本がわからないまま なし崩しになり、日本の野球界は衰退の一途をたどると思われます。

行き着くところ、日本の今置かれている状況そのものです。 メディアでは、楽天、ライブドアの動きが注目されていますが 本当の問題の解決が行われるかを見ておきましょう。

 ■パ・リーグ無視のNHK  南 茂樹

一連のプロ野球への苦言、ごもっとです。ただ、ひとつだけ言わせて下さい。NHKの姿勢です。「皆様のNHK」「視聴率にとらわれない番組づくり」と言いながら、長年、パ・リーグ中継を殆どして来なかったのは何故でしょう。首位と2位の攻防戦だけでも、通年で放送すべきだったのではないでしょうか。しなかった事を記憶に留めておくべきではないしょうか。BSで我々日本人が、大リーグの魅力を発見したのは事実です。じゃあ、

BSでパ・リーグ中継をやっても良かったのではないでしょうか。時間がかぶる訳ではなし。パ・リーグに魅力が無い訳ではなし。ここらが釈然としません。

 ■権限ないの一点張りで遁走  伊藤 ところざわ

こんなひどい男を会長(コミッショナー)に招いたとは。本来なら球界最高権力のコミッショナーが事態の収拾に当たるべきなのに、なにもせずどころか、溝を深くした男、権限がないとかの一点張りで遁走。そして高額な退職金だ。ゆるせないね。
 ■「譲歩」ではなく恥ずべきこと  戸谷 浩史

経営者側がこれまでとってきた行動は「譲歩」 などと胸を張れるものではなく、日本銀行総裁にまで批判されたそのあり方は、むしろ恥ずべきことです。

(※戸谷さんのメールは極めて長文なため全部を掲載することはできませんでした。ここでは、戸谷さんが指摘した球界の「諸問題」を列挙しました)

交渉相手ではなく商品としてしか選手を見ない球団側の人身売買的な態度(金銭トレード、無償トレード、交換トレード問題)。

NPB が選手会を労組と認めず話し合いに応じてこなかった経緯、高額な加盟料が独占禁止法違反であった疑い。

それに代わる預かり保証金の金額の是非、大企業の寡占による閉鎖性、球界の巨人依存体質、コミッショナー ・ 実行委員会制度の形骸化、オーナーへの権力集中、組織の硬直化。

ドラフトの逆指名制度や FA による戦力の一極集中、選手の年俸抑制策の不十分さ、優秀選手の大リーグへの流出、巨額赤字の恒常的垂れ流し、ぜいたく税 ・ 放映権料・ 新規参入基準などの不備。

Jリーグの設立目的(日本サッカー協会規約)と比較して尊大で利己的で現実離れしたプロ野球協約の記述(「不朽の国技」、「権威」、「世界選手権」、「利益を保護助長」)。


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