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   世界連邦運動協会高知支部
   

 World Federarist Movement Kochi since 1950.  We are the Peace Expeditors
 

 2010年の年頭あいさつ

 あけましておめでとうございます。21世紀に入ってすでに10年。つまり21世紀も10分の1が終わったことになります。この10年、世界は進歩したのでしょうか。否、後退しているのではないかと思われることばかりです。10年前にはなかった大きな戦争が起きました。アフガニスタンとイラクです。イラクではようやくアメリカが撤退することになっていますが、アフガン情勢はいよいよ混沌としています。

 アメリカでは初の黒人大統領としてオバマ政権が誕生したニュースは世界を喜ばせ、昨年は核廃絶を求めた行動などでノーベル平和賞を受賞しました。しかし、平和賞の受賞演説でオバマ大統領は「正義の戦いがある」と述べ、オバマさんに対する期待は大きくしぼんでしまいました。

 アジアには北朝鮮という問題が立ちはだかっています。中国もチベットやウイグル問題を抱えています。日本の北方領土の返還は解決の糸口さえ見つかっていません。

 NHKの大河ドラマでは龍馬伝の放映が始まり、高知県では期待が高まっています。確かに土佐に注目が集まるのは嬉しいことですが、いつまでも龍馬だけでいいのでしょうか。自由民権運動で、各地の運動家が高知の言論に注目したことも思い出してください。新しい明治日本に対して高い発信能力を示していたのです。

 2010年を高知からの発信の年としたいと思います。いかがでしょうか。参加していただえるでしょうか。

 提言1 北方領土を国際共同管理の地としよう。

 敗戦からすでに65年。二島返還論が浮上することもありましたが、歯舞、色丹、択捉、国後の北方四島の名称を正確に言える日本人がどれほどいるでしょうか。つまり四島はほとんど忘れ去られた存在となっているのです。一方で、ロシア人にとっては北方四島は名前も知らない最果ての島々でしかありません。

 近代国家が国境を意識し始めたのは、そう遠い昔ではありません。南樺太が日本領となったのは日露戦争以降です。もともと日露政府は、樺太を「混住の地」として国境を設定していなかったのです。

 「返せ」「返せない」を繰り返していては、開発から取り残される忘れられた島々となってしまいます。

 フランスとドイツにはさまれたアルザス地方はもともとはドイツ語をはなす人々が住んでいましたが、石炭と鉄鋼石を産出することから近代以降、独仏による奪い合いとなり、その都度戦争となっていたのです。第二次大戦の後、フランスが領有していましたが、フランスのシューマン外相がその鉄鋼と石炭の「国際共同管理」を言い出し、ドイツはじめ各国が賛同しました。その提案を基に欧州石炭鉄鋼共同体が誕生し、いまのEUに到っています。

 そうです。北方領土問題解決のためには今こそ、東アジア版のシューマンプランが必要なのです。日本国家として国際社会に提案する価値は多いにあると思います。日本にとってロシアは長い間、大きな脅威でした。大戦前の短い期間、日ソ不可侵条約が結ばれていましたが、その間も北方の守りを解くことはありませんでした。日ロが平和条約を結べないのも領土問題があるからです。

 北方領土が解決すれば、北方領土方式はサハリンに拡大するかもしれません。それが東アジア全体に広がる可能性だってあります。主権の放棄という考えはヨーロッパには元々あります。戦後のフランス、ドイツ、イタリアの憲法には超国家への主権の委譲を認める条項がありました。来るべき世界連邦への準備が行われていたのです。

 主権を放棄することはかつて日本にもありました。江戸時代で国といえば藩のことでした。主権者は藩主です。明治維新では、300を超える藩主たちが超国家たる明治政府に主権を委ねたのです。版籍奉還です。近代日本の発展はまさにこの版籍奉還から始まったといっても過言ではないでしょう。

 イギリスは王国の連合体です。アメリカは州の連合体です。それぞれが主権を上位団体に委譲したといってもいい政体です。現在の常識ではとんでもないと思われることによって、平和がもたらされ"国境"を越えた経済交流が始まるのです。

 北方領土の共同管理は一見、荒唐無稽に見えるかもしれません。しかし日本や東アジアの新たな地平線を見据えるチャンスになると思うのです。こんなことから新しい時代を切り開く発想にしたいと思っています。ご意見をお待ちしています。

 ご意見は ugg20017@nifty.com まで。





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