Lettere contro la guerra
Tiziano Terzani
反戦の手紙
ティツィアーノ・テルツァーニ
飯田亮介訳 |
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WAVE出版
2004年1月29日発行 |
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訳者あとがきから
"Salviamoci Nessnun altro puo fare per noi"
「わたしたちを救おう。それができるのは、わたしたちだけなのだから」
本書はイタリア人ジャーナリスト、ティツィアーノ・テツツァーニの2002年3月作品「Lettere contro la guerra」の全訳に、作者が2003年12月に書き下ろした日本人読者にあてたメッセージの役を加えたものである。
『反戦の手紙』は、9・11テロにたいする復讐という非文明的で、もっとも原始的なアメリカの反応と、それを支持した「国際社会」の動きに危機感をいだき、アフガニスタン空爆開始直後に単身現地に向かったテツツァーニの旅の記録である。それは反テロ戦争の現場をゆく旅であると同時に、平和な世界実現のために必死に思索をつづける作者の心のなかの旅でもあった。・・・・・・・ |
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四国新聞1月20日付一面コラム「一日一言」
陸上自衛隊がサマワに入ったころ、夕食会の席で「イラクはどうなるんでしょう。マスコミの見方は?」と尋ねられた。「米国の思惑は外れたようです」と答えたが、不明を恥じている。
第百五十九回通常国会で小泉首相が細身の体をそびやかし、米国に追従して自衛隊をイラクに派遣する「不退転の決意」を語っていたころ、断じて暴力にくみするなという、「もう一つの決意」を迫る本が届いた。
何度か紹介したイタリア人ジャーナリスト、ティツィアーノ・テルツァーニの「反戦の手紙」(WAVE出版)が今月末に出版される。9・11から始まった米国の戦争に反対する「古いヨーロッパ」からの反論集である。
その序文で著者は「人生におこるすべては偶然ではない」と書いた。非暴力主義者として世界の内戦や混乱を取材した証言者の言葉だ。アフガンやイラクで起きた暴力に口を封じればやがて自らが暴力の犠牲になる―。
首相は決意を語るにあたり、「義をなすは毀(そしり)を避け、誉れに就くにあらず」という墨子の言葉を引用した。「正義」の実現において他人の評価を気にしてはいけない―という戒めの言葉。
しかし首相のいう「正義」が、米国一国だけの正義ではもはや意味を失う。「大量破壊兵器を持っているような気がした」程度のことで、何万もの民間人を犠牲にしてよい正義など存在しない。
テルツァーニは言う。原爆を体験した「日本人であればこそ、世界中のどこの市民よりも大きな声でNOと叫ぶ資格がある」。あの席で本当はこう答えるべきだった。「どちらが有利か、正しいかではなく、殺し合うことを避けることが日本人の役割です」。
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