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◆号外 象牙海岸共和国でクーデター

1999年12月25日(土)
Conakry発 齊藤 清通信員



◆12月23日朝(現地時間)から、コートジボアール=象牙海岸共和国の首都アビジャンで、正規軍による発砲騒ぎが始まりました。テレビ・ラジオ局も軍の指揮下に置かれ、音楽だけのプログラムに移行していました。

 BBC、CNN等は、「もう少したっぷりケーキが食べたい」ことが、彼らの要求であると伝えていました。流血の事態はなく、町は平静で、単に空へ向けての威嚇射撃のみが続いていた様子です。

◆そして、本日24日朝、国会は現大統領の解任を決議し、ゲイ参謀総長が大統領に就任した、という確度の高いニュースが入ってきました。

◆象牙海岸共和国は、西アフリカでは、というよりもアフリカでは、最高に安定した政治状況にある国と信じられていた国のひとつです。

 しかしながら、来年の大統領選挙に向けて、野党のリーダー・ワタラ氏(元首相)が立候補を宣言したため、現大統領は野党リーダーの国籍についての疑義攻撃し始めていました。つまり、彼はブルキナファソ共和国の市民であって、大統領候補にはなれない、という指摘がされていました。これに関連して、ワタラ氏のブルキナファソ国籍確認のための密使が、氏の故郷とされるブルキナファソのある町に派遣され、賄賂を贈って書類の捏造を依頼し、その場でブルキナファソ当局に身柄を確保された、というニュースも伝わっていました。

 ただ、今回の動きと、それらの裏の動きが直接につながっているとは断定できません。

◆そのような状況下で、現(前)大統領 Henri Konan Bedie 氏は、クリスマスのために故郷の村へ戻って、首都を留守にしていた間に、大統領を解任されたという状況です。現時点では、首都へ戻る動きをさせられているようですが、その身体には格別の問題は起こらないと考えられています。

◆首都アビジャンは平静で、この事態に対して多くの市民は好意的だと聞こえてきています。[Conakry 11:30 GMT]

◆ゲイ参謀総長のスポークスマンが、ラジオを通じて、政府、国会、最高裁等の国権の機関の機能を一時停止させたこと、獄中の政治犯すべての解放を指示したことを表明。あわせて18:00-05:00の外出禁止令を発表した。

◆エールフランス、サベナ、エールアフリックの各航空会社は、アビジャンへの国際便をすべてキャンセル。

◆現(前)大統領 Henri Konan Bedie 氏は、ラジオフランス、BBCを通じて、現在の状況は国際機関の協力で更正されるべきであり、そのために抵抗する、とアナウンス。時刻と場所は不明。 [Conakry 17:15 GMT]

*この時刻まで、コナクリのプロバイダーから海外へのアクセスがうまくいっていません。今日はことにコナクリ側が不安定なことと、日本側のサーバーにも問題がありそうで(?)、二重の越え難いハードルに苦しんでいます。つながりしだい発信します。コナクリのラジオは、まだこの様子を伝えていません。 [Conakry 18:45 GMT]

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