【読者の声】そうだったのか国債って国が買っていたんだ!1999年01月24日(日)萬晩報主宰 伴 武澄
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1998年11月28日付萬晩報「そうだったのか国債って国が買っていたんだ!」を書き、金利上昇の懸念を指摘した。1カ月後、実際に国債相場など長期金利が上昇し始めて大手マスコミや経済評論家もようやく金利上昇の危機を指摘し出した。この2カ月に寄せられたメールを掲載します。 【長年の疑問が再確認できた】前略、長年の疑問が11/28号で再確認できました。節約、我慢を忘れた国民・政府はどうなってしまうのか考えると、恐ろしくなります。金利は?物価は?円ドルレートは?失業率は?年金は?48歳にして経済の事はよく解らない男の将来への不安な思い。偉い人を信用できなくなってきたが、どうも偉い人が狭い了見で世の中を動かしているような気がします。今後の「萬晩報」に大いに期待致します。(伊藤) 【政府の市場介入は再評価されている】「萬晩報」11月28日号を拝見いたしました。確かに、収益性を考えない財政投融資のこれからというのは恐ろしい問題になってくるような気がいたしますし、また欧米というモデルを失った日本が官民協調主義でやる時代は終わったとも思っております。 しかしながら、金融・財政政策に関しては必ずしも市場主義がよいとは限らないのではないでしょうか?おそらく、現在の日本の金融・財政政策は、政府が積極的に市場を管理するケインズのマクロ経済政策の流れを引いているのでしょうが、これが悪いとは必ずしも言えないと思います。 現在は、クリントン政権がレーガン以来の自由市場主義を否定しているように、自由市場主義が見直されております。各国が効果的な金融・財政政策を暗中模索している現状で、政府の市場への介入は再評価をされているように思います。ただ政府の民間に対する説明という点では不親切で国民を軽視している風がうかがえますので、この点は非常に問題ではないかと思っています。(土屋) 【いまいち分かりません】こんにちは。国が発行した国債を国や日銀が保有するというのはどういうことになるのかいまいちよく分かりません。もし続編を書く予定があるようでしたらもう少し説明を入れていただけると理解できるのですが。(川崎) 【財政改革法のどこが間違っていたのか】日本の財政危機の深刻さを具体的数値に基づいて改めて痛感しました。事態がいっそう深刻なのは、こうした財政構造の実体と、今後の日本経済にもたらす問題点がほとんど論議されないままに、短期的視野での景気浮揚政策が論議され、それが国際公約(対米公約)となってしまっていることです。財政改革法には賛成できませんが、法律作成過程でなされた論議はどうなったのでしょうか。 軍事支出の拡大と戦後のインフレーション(人々の富の収奪)に対する反省から制定された財政法第5条の今日的意義、財政均衡主義をめぐる今日までの論議の経過、財政改革法のどこが間違っていたのか、なぜそのような誤りが生じたのか、諸外国の国債発行システムと保有システムはどうなっているのか、こうした点について考えてみようと思います。(松野) 【恐ろしいこと】恐ろしいことです。このことと、将来への禍根、例えば悪性インフレの可能性などについて、言及をお願いします。(harikai) 【多くの人にこの異常な事態を認識してほしい】この異常な事態を多くの人が認識してくれることを願ってます。そして、財政法の趣旨に反することがどんな事態をもたらすのかを良く考える必要があります。私自身まだ考えがまとまっていませんが、例えば、日銀の国債保有は日銀券の発行で賄っている。このハイパワードマネーの増加は、大きなインフレ要因です。今は景気が悪いから貨幣の流通量は小さいが、一旦景気が好くなればインフレが大発生する可能性がある。 第2に、さらに財政法の趣旨を議論するべきだと思います。日露戦争のいい加減さや太平洋戦争悲惨の教訓を良く調べ、原則をきちっと守る方向へ持って行くべきだと考えます。
いくつかコメントします。 一つ要望があります。伴さんの記事にはウエッブのリンクが張ってありません。これは読みやすさからいいと思います。けれども,提示した資料のほとんどが、日銀や大蔵省のウエッブページから確認できるので、萬晩報のページの中に「資料コーナー」とか「落ち穂拾い」みたいなのもを設けたらいかがですか?そうすれば読者も自分で確認することができるし、自分で考える材料になったり、新たな資料を発見することができると思うのです。これは新聞などと違うインターネットの新しい使い道だと思います。そこまでやる必要はない、興味があったらサーチエンジンで調べろというのもありますが。(丹野) 【予想される危機は回避できるが!】私も、先日新聞を読んで呆気にとられたものの一人です。同じ疑問を持ちました。しかし、現在日本の国と地方の粉飾は総額どのくらいになるのでしょうか。この情報が、知りたいのです。金融機関の持つ不良債権から考えると、バブルの時期に参入した地方の抱える不良債権(第三セクターなど)のがくは、投資資金の全額を超えているのではないかと思うのですが。まず、現状を開示することが大切なことです。 そして、冷静にそれに対処することを考えることです。ジャーナリズムは、現状を開示することは得意ですが、冷静に対処することは苦手のようです。しかし、不良債権問題は、総合的な開示が行われていないため、日本の火薬庫になっていると思います。予想された危機はたいてい回避されているという、歴史の教訓と照らすとき、これらの危機を、国民に予想される危機として、提示することは必要なことと思います。(cygn) 【タコの足食いとは?】はじめまして教えて下さい。タコの足食い状態とは?日銀が10000円札をどんどん印刷して国債を買うということでいいんですか。(森川) 【オープンな情報さえ報道しない新聞】初めてお便りします。貴台の記事を読み、そうか国債にはこうしたからくりがあったのかと納得しました。赤字国債、建設国債等々、年間予算の数倍もの資金がどうして、青息吐息の銀行に引き受けられるのか。 また、個人で国債を買える人がそんなに多数いるのだろうか?といつも漠然と感じておりましたが、記事によれば、日銀や資金運用部の保有の定義のすり替えのカラクリがあったのかと改めて日本政府というのはまさしく官僚の書いたシナリオで動いているのだなあと、感じました。 こういったオープンな情報さえ報道しない新聞の公器としての立場は一体どういうことなんだとムカツキます。過去数年にわたり超低金利政策で銀行に多くの内部留保をさせても、結局、長銀に続き日債銀も事実上破綻しましたが、銀行幹部は過去の役員、現在の役員も含め、誰も責任を問われないというのはまったくナンセンスというしかありません。つぶれる銀行はつぶれるべきでしょう。 何となれば、大銀行は優秀な大学を優秀な成績?で(ペーパーテストでは)卒業した人たち、いわゆるエリートの受け皿として、いい思いもしたのでしょうから、苦しくなったからと言って、親方日の丸に援助交際を求めるというのは虫が良すぎるじゃありませんか。1999年の年頭にあたり、貴台のますますの健筆を期待します。(大森) 【背景をまったく知りませんでした】長期金利が2カ月で3倍になったのは国が国債の買い入れを止めたためというニュースは読んでいましたが、勉強不足で伴さんの書かれたような背景はまったく知りませんでした。 しかし、私は最近安定化資金等の名目で国の資金が貸し出しを緩めていることに多少驚きと喜びと不安を持っていたのです。又、大手ゼネコンが金融機関に数千億円もの不良債権をカットするよう堂々と求め、銀行がそれに応じているのはおかしいと思っていました。誰が考えても公的資金の導入で、ゼネコンを救済しているのと変わりないからです。この二つの事は、お金のばらまきであり、又新たな不良債権をつくり出すもとではないかとも思えたのです。 さて国が国債を発行して、銀行が引き受け又それを国が買いもどしていたようですが、この行き着く所はどうなるのでしょうか?単純にインフレになると考えられるのでしょうか。又、ここに来て銀行から買い入れをしないと言っていますが、これは方針変更なのでしょうか。ご教示頂ければ、幸いです。(大塚) |
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