カンボジアに3つ目の学校を建てたセカンドハンド
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教員養成大学の図書館に本がなかった なんてことはない。土木作業員なんですよ。でもね。図書館がきれいになったのはいいのだけれど, 本がないのよ。それで本はどこにあるのって聞いたんです。「校長室にあります」っていうんで、校長室に行きました。本棚にあったのにはオックスフォードの英英辞典と衛生に関する本が数冊だけ。愕然としました。新田さんは、かつて訪れた英国でOXFAMというチャリティーショップがあったのを思い出した。リサイクルショップの収益でカンボジアのこどもたちに本を送る資金を稼げるかもしれない。帰国して新田さんはすぐ動き出した。 OXFAMは51年の歴史を持つ英国最大のチャリティーショップだ。全英に800店舗を持つ。時間が余っている主婦とか高齢者がボランティアでリサイクルショップを経営するシステムで、収益は福祉に使う。 3カ月のボランティアにつもりが5年目に ただ家主との契約は3カ月だったし、新田さんもそんなに長くやるつもりはなかった。その年の8月、約束通りカンボジアの教員養成大学に百科事典など50冊の本を届けた。千葉県柏市にある「カンボジアに学校を贈る会」にも40万円を寄付できた。 ところが3カ月もたつと「セカンドハンド」はマスコミや口コミで高松市民のほとんどが知るところとなり、新田さん一人の考えでやめるにやめられない状況になった。「カンボジアに学校を贈る会」からも協力の要請が来た。日本にNGOはたくさんあるが、自前で資金調達までできる団体は数えるほどしかない。「セカンドハンド」はたった3カ月でその代表選手になってしまったのだ。 えいままよと続けて早5年目を迎える。店舗も丸亀市、岡山店と3つに増え、手伝うボランティアも100人を超えた。昨年の売上高は2500万円にもなった。商品はただだから、ほとんどが収益である。 「セカンドハンド」の驚嘆すべきところは、この種の団体にありがちな会計の不明朗さがまったくないという点である。年4回発行する「セカンドハンド通信」には収支だけでなく、カンボジアへの寄付や学校建設の状況を詳細に報告、しかも2500人の協力者に対して送付している。 まもなく、4つ目の小学校の建設に着手する。この人と出会って人間にできることに限界はないということを知らされた。最後に新田さんのボランティアが長続きするわけも分かった。生活にも会話にも「気負い」というものがない。親友の新聞記者に「新田さんは香川の宝だ」といったら、「いや、日本の宝かもしれない」と返事が返ってきた。 セカンドハンド 高松市田町12の4 087-861-9928
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