「読者の声」国民の目が日本にフォーカスされていた時代1998年04月04日(土)萬晩報主宰 伴 武澄 |
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「国民の目が日本にフォーカスされていた時代」に多くの感想や意見をいただきました。重要な指摘も多く、うならせる部分が少なくありません。以下、読者の参考に掲載します。 ●仲間うちで日本の大学に失望感
●これからどうしたいといった議論が必要
そんなに目くじらをたてて主張するような話じゃなく、ただのその場の会話だよ、といわれれば、それはそのとおりで私もそう思うのですが、私たちは今まで役人に頼り切った生活をしてきたんじゃないでしょうか。 基本的に役人の仕事って何でしょうか?私たちの指針を示し、国の目標を決めてくれる、何か親みたいなものでしょうか?役人っていうのは法律で決まったことを、法律で決まった方法で、実行するだけの存在であって、何かそんなに偉い仕事をしているわけなんでしょうか。 日本が注目されなくなってきたといっても、何か日本は特別な国なんでしょうか?日本は何になりたいんでしょう? 特別視されたい? 特別な役割を果たしたい? 尊敬される国になりたい? 何かこういう、これからどうしたいといった議論を日本は避けてきたような気がします。 これからどうしたい? 日本人はどこへ行きたい? 日本人は何になりたい? そしてそれは誰が決めるの? こんな問いを常に持ち続けることは大切なんじゃないでしょうか。(山田) ●日本はAsia人に魅力のある国なのか
打ち出の小槌を振って世界の機嫌を伺うのでなく、むしろ西欧型ごり押し主義に押し抗いつつ独自の道を歩むことを推し進める絶好の機会といえるのではと考えます。(井上) ●日本人が差別するとアジアの怒りは数倍
みなとても日本のことをよく知っており、関心があり、しかも日本の学生と知り合える機会が多いのになぜこんな事になるのか。日本人達は、欧米人はアジアを蔑視していると言いながら、本音では自分達日本人が白人になることしか考えていないような気がいたします。 でもそれだけではないだろう。日本に留学した経験を持つ先輩らから伝わる日本のイメージが決してよくないことにもそもそもの遠因であるような気がしてならない。欧米社会では留学先での就職に対して寛容であるのに対して、日本では大学を卒業しても日本企業の門戸は非常に狭い。さらに日本での住宅事情の悪さを考えれば、仮に日本留学を体験したアジア人がいたとしても「好意」を抱いて帰国するケースは”についてはまったく同感です、台湾人の知り合いがなぜ彼が 日本へ留学して日本企業に就職した後、英国で博士をとる事にしたいきさつを話してくれましたが(もちろん彼は尊敬する複数の日本人の存在をあげましたが)、あなたの言うことが当てはまります。 はっきりいって欧米の大学はアジア人の学生を金ずるくらいにしか思っていないところが多々ありますが、それでも彼らは欧米へいきます。この理由は何なのか。欧米人から受けるちょっとした差別的な発言を(同じ有色人種である)日本人がすると、アジア人の怒りは数倍となることをわれわれは認識するべきでしょう。(英国への留学生) ●「日本がワン・ノブ・ゼム」は喜ばしい
「国民の目が日本にフォーカスされていた時代」の記事は、基本的に賛成です。しかし、留学生に関する議論がややステレオタイプなものであると感じ、残念に思いました。 例えば、将来、経済発展したフィリピンでもっと留学生を受け入れるべきだといった議論が起こるでしょうか。確かに多くの留学生が日本やってきて、好意を持って帰国してもらうのは理想的ですが、将来のことは別として、高コストで単一民族指向の現在の日本の社会では、現実的な限界があります。もちろん現状を賛定するものではありませんが、欧米と比較するだけではなく、日本は日本の現状にあった道を考えるべき時がきているような気がします。 学問の分野でのアジアへの貢献では、留学生の受け入れにもまして、アジア各国に世界的に一流とみなせるような大学を建設する、日本語等の分野に限らず各種最先端の学者を講師として派遣するといったことも考えられます。今、日本を出て、アジアで働きたいあるいは働ける人、活躍できる人は、結構多いと思われますが、日本に帰ること、帰ってからのことを考えて実行できないのが大多数でしょう。制度として外国で働け、また帰国してもハンディがない制度とすれば、案外外国に出ていき働く人は多いのではないでしょうか。(情けない面もありますが) 私は、日本民族が、外国で働く日本人によって、まだまだ尊敬を勝ち得ることの可能な民族であると思っています。かって、明治の初め、日本にきた多くの外国人によって、多大な恩恵を受けたように、今度は日本がその役割を果たすべきときであると。 影は薄いが、よく知っている人には尊敬されるといった日本、あるいは日本人というのがもしかするとこれからの戦略とすべきことかもしれません。(浦山) |
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