ノルウェーから日本語で隔週で発信しているめるまが「ノルウェーニュース」は筆者の貴重な情報源のひとつとなっている。ITの最先端をゆく北欧の経済や生活情報には示唆に富む内容が少なくないからだ。今週は「缶ビールがノルウェーで流行っている」というニュースだ。
日本やアメリカからみれば、「いまさら」という感があるが、飲み干した後の缶の処理方法が確立したから消費者の嗜好がビンから缶に移ったという話を聞けば、ちょっと驚かざるを得ない。というよりノルウェー国民に対して敬意を表さざるをえない。以下にその一部を引用する。
ノルウェーで缶ビールの消費が増えただしたのは、空き缶の新式デポジット・システムが新たに導入されたのが契機となったからだといわれている。この結果、国内の空き缶の回収率は90%に達したそうだ。
環境保護のため、これまで缶ビールを飲むのを控えていたノルウェー人。しかし、
リサイクル可能となれば、やはり缶ビールの方が具合がいいのだろう。ビール業界の
スポークスマンも「缶ビールの方が瓶ビールより冷えるのが早いし、持ち運びも便利
だし…」と、今後、加速的にノルウェー産ビールの缶入り傾斜を予測するコメントを
出している。
筆者は北欧に一度も足を踏み入れたことはない。だがノキアとかエリクソンという携帯電話会社が世界市場を席巻した事実や、高福祉というイメージしかなかったこれらの国々の経済がグローバリゼーションの中で注目を浴びるようになった背景について日本としてもう少し焦点をあててもいいのではないかと思っている。
日本がここ10年、バブル崩壊後の不良債権問題で悩み続けているうちに世界は次々と変革に着手しているのだ。先日、アメリカで取材中の同僚が驚きのメールを送ってきた。
ノースカロライナ州のかつての田舎町であるシャーロット市がいつのまにか金融都市に変貌していたという事実を書き送ってきた。「バンク・オブ・アメリカや6位のファースト・ユニオンなど全米上位20銀行のうち4銀行が本社を置く企業城下町」でいまや全米有数の人口増加率だということである。
バンカメがカリフォルニアの銀行だと考えるのは時代錯誤であることと、アメリカの変革は都市ではなく小さな田舎町が発信の拠点であることを思い知らされた。そういえばシリコンバレーもかつてはサンフランシスコ郊外の単なる乾燥した回廊だったはずだ。
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発行元:Nor News office http://www.nornews.com
【萬晩報】7月は酷暑だった。季節外れの台風3号の関東地方直撃で梅雨前線が吹き飛び、実質的に梅雨は7月初旬で終わっていた。▼7月4日第二次森内閣が発足し、翌週の12日にそごうという巨艦百貨店が倒産した。銀行への債権放棄を核とした再建計画はいまや外資系となった新生銀行の債権放棄拒否というひとことで吹き飛んだ。本来ならば、経営難に陥っていたいくつかのゼネコンも同じ方式で救済されるはずだったが、政府のもくろみも銀行の思い込みも破たんした。おかげでゼネコンの処理が遅れ、関係者はそれでなくとも暑い夏の休み返上を余儀なくされている▼今年の梅雨の場合、台風通過からほとんど雨のない2週間が続き、20日、気象庁は遅まきながら関東地方に梅雨明けを宣言した。7月に台風が関東地方を直撃する気圧配置を考えればもっと早く宣言できたはずだと考えた。こちらは人畜無害。大きな被害はないが、金融とゼネコンは引き続き暑い夏が続く。
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