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サミットで森さんが読むダイヤモンド戦争勝利宣言

2000年07月22日(土)
Conakry通信員 斉藤 清

西アフリカの旧英国植民地シエラレオネは、大西洋に面した緑の豊かな国。す でに雨季を迎えたこの季節、雑草に混じって、米、とうもろこし、落花生の若 葉が、吹きすぎるそよ風にゆれている。人のいない静かすぎる村。この村を出 ていった人々は、収穫の時季までに、戻ってくるのだろうか。

◆和平合意の破棄

シエラレオネの首都フリータウンから240キロほど離れた町マケニ(Makeni) は、ダイヤモンドの漂砂鉱床を背景にして、すでに20年以上にわたって良質 のダイヤモンド原石をヨーロッパの市場へ送り込んできた。昨年7月の現政権 と叛乱勢力側との和平合意を受け、永年叛乱勢力の支配下にあったマケニの町 に、叛乱側の武装解除を促進する目的で、今年に入ってから国連平和維持軍が キャンプを設置した。シエラレオネの東部地方には、このような町がいくつか 点在している。

維持軍側が、銃一丁を300ドルで買い上げるという条件を流布してみても、 叛乱勢力側からの武器の提供は思うようには進まない。それもそのはずで、彼 らの感覚からすれば、自分の生活を守るためには当然に銃が必要で、それを手 放すことは考えることができない。銃があればこそ、「よそ者」が侵入してき た場合に現在の「生業」を死守することができ、そして生き延びることができ る。あるいは、いくぶんかは生活を楽しむこともできよう。山の男たちは単純 にそう信じ込んでいた。そんな彼らにとって、国連平和維持軍はまぎれもなく 「よそ者」である。長期にわたる彼らとの対峙は、生理的に忍耐の限界を超え ていた。

それは5月1日夕方のこと。叛乱勢力の兵が、平和維持軍キャンプのケニア兵 を急襲した。彼らは事務所を占拠しようとしたが、そこにいた准将は抵抗した。 叛乱兵のひとりは准将のピストルをもぎ取って頭につきつけ、他の兵は至近距 離で機関銃の狙いを定めた。PKO要員たちが銃を放棄して、「撃つな、撃つ な、我々はアフリカの同朋ではないか」と叫ぶ。それに応えて、他の機関銃が 一人のケニア兵を撃ちぬいた。兵は倒れ、准将は辛くもその場を逃れ、そして その時、すべての銃が火を吹き始めた。銃声は一晩中続いたという。

◆囚われのPKO要員

このようにして、5月2日には、各地のダイヤモンド鉱山の町に張りつけられ ていた国連PKO要員たちの一部約500人が、同時多発的に叛乱勢力に拘束 される結果となった。

国連のアナン事務総長は、さっそく人質の開放を要求する声明を出し、さらに 英米両国を含む先進各国へ、国連始まって以来の異常事態に対する支援を訴え た。

英国は、シエラレオネに在住する自国民保護のため、空挺部隊を送りこむ手筈 を整えると同時に、大西洋に展開していた艦船を、フリータウン沖へと差し向 けた。ただし、長期の作戦予定はなく、自国民の保護だけが目的であると釘を さすことを忘れなかった。

米国は、クリントン大統領自身が、最大限の協力をするとコメントしたものの、 その実態は、ナイジェリアとバングラデシュ軍に兵の派遣を要請しただけで、 自国の兵は出せないと言明。ソマリアへの派兵を含む過去のいくつかの失敗が、 海外派兵を不可能にしていることを隠さなかった。その代わりに、特使として ジャクソン氏を、ナイジェリアと、シエラレオネの叛乱勢力をコントロールし ていると考えられるリベリア大統領テイラー氏のもとへ送り込み、人質開放へ の協力を要請した。

◆国連PKOのジレンマ

叛乱勢力の和平合意破棄に相当する行動は、「正義」の側から見れば容認しが たいものであり、徹底的に糺されるべきであった。

しかし、国連のアナン事務総長は、1995年のボスニアでの失敗を教訓とし て、平和維持活動と戦闘とははっきりと区別しなくてはならず、停戦あるいは 和平合意の成立していない状況への平和維持軍派遣は再びあってはならない、 と発言していた。

シエラレオネの現実は、そのような判断基準が役に立たないものであったこと を、思い知らされる結果となった。受身の平和監視から、突然に、戦闘行動を 要求される状況に追いこまれたものの、戦うための心づもりもなく、充分な装 備もなかった彼らは、なす術もなく拘束されてしまった。(死者が少なかった ことは、不幸中の幸いというしかない)

また、就任して以来ずっと、首都近辺すらさだかには支配できていない、影の 薄い極めて脆弱な現在の政権を支えるために、何ゆえか国連史上最大のPKO 要員が投入されていた。現時点で13,000人。さらに3,000人の増員が予定され ている。そのうえあわれにも、シエラレオネ政府自身が、英国の傭兵派遣会社 との契約書にもサインした。

◆近隣諸国の相互協力関係

シエラレオネ叛乱勢力・革命統一戦線(RUF)の顔として知られるサンコー 氏は、1998年10月、国家反逆罪で死刑判決を受けている。そして翌年、 叛乱勢力代表として和平交渉に参加し、刑を免除された。同時に、現政権の副 大統領待遇として迎えられ、しかも鉱山部門担当というポストを確保している。

サンコー氏は英国植民地の時代に軍の伍長を務めていたことはあるが、196 1年に辞めている。その後1980年代、リビアのカダフィ氏の許でゲリラと しての訓練を受けた。その当時の同僚には、ブルキナファソ大統領のコンパオ レ氏、リベリア大統領のテイラー氏がいた。各氏は、現在でも硬く結びついた 協力関係を維持している。例えば、現時点でも、シエラレオネの叛乱勢力数百 人が、リベリアの訓練基地でトレーニングを受けている。ここには、昨年暮に 現地を離脱した叛乱勢力RUFの現地指揮官・通称「モスキート」もいる。

武器調達についても、ブルキナファソ大統領のコンパオレ氏が、ウクライナ、 ブルガリアから輸入したものを、リベリア経由でシエラレオネ叛乱勢力に供給 している。これらはすべてダイヤモンド原石で決済されているという。

ブルキナファソの軍事クーデタの際には、カダフィ氏が兵を送り込んでコンパ オレ氏を手助けし、リベリアの内乱ではサンコー氏が、ゲリラ部隊としてテイ ラー氏に協力している。現在まで続いているシエラレオネの内乱には、テイラ ー氏の私兵がシエラレオネ叛乱勢力に加勢し、重要な役割を果たしている。シ エラレオネ領内には、今も多数のテイラー氏の私兵が駐留しているといわれる。

彼らの協力関係をはっきりと見せつけたのが、5月22日の国連PKO人質の 一部解放。アメリカの特使として派遣されたジャクソン氏に、リベリア大統領 は解放への協力を約束し、テイラー氏が叛乱勢力に働きかけた結果として、シ エラレオネ領内で拘束されていたPKO要員54人が、リビアから送りこまれ たヘリコプターで、リベリア領内のフォヤ空港に搬送された。そこで、国連軍 のヘリコプターに引き渡されている。

叛乱勢力RUFの議長サンコー氏は、犯罪人として現在再び拘束されている。 それでも、内陸のゲリラ部隊は何の支障もなく活動を続けている。その理由は、 いくぶんかの荒っぽさを交えて言ってしまえば、シエラレオネの叛乱勢力が現 在まで支配してきたエリアは、その実はリベリア大統領の実効的支配下にある ということに尽きるからだ。国連は、むろんこの事実に目をつぶっておきたい 意向で、あくまでサンコー氏を叛乱勢力の唯一の代表に仕立て続けている。

◆カルテル体制の国際的認知

今回の国連PKOは、本音を言えば英国自身の名誉、さらに言えば、ダイヤモ ンド市場を強力にコントロールしてデビアス社の窮状を援護するための介入で はあったのだが、人道的な介入という背景でもセットしなければ、国際的な了 解は得にくい。「幸い」にして、シエラレオネ叛乱勢力RUFは、昨年の和平 交渉の開始にあたり、会議への圧力をかけるためもあって、一時期かなり残忍 な行動をしている。それを恰好の材料として、国連が盛んに反政府勢力の残忍 性をアピールし、世界のマスコミも何枚かの写真を使いまわして、彼らの行動 の残虐性を喧伝した。最近では、世界の平和を守るために駆けつけた、案山子 のように無力な国連平和維持軍を、2カ月以上にわたって拘束している反政府 勢力の不法ぶりも、当然に重要なアピールポイントであった。

それは目論見通りの成果をあげた。その世論を背景にすれば、反政府勢力を消 滅させるためには彼らの「不正な」ダイヤモンド取引を強力に監視すべきだ、 という方向への誘導は、さほど難しいものではない。デビアス社・オッペンハ イマー卿の英国政府に対する影響力もむろん有効であった。

かなり強気の発表を続けてきたにもかかわらず、デビアス社の実際の原石市場 占有率は、現在では50パーセントを割っていると推定できる状況にあり、ま た「ダイヤモンドの永遠の輝き」を守るために、市場にあふれる「非合法」の 原石を買い集めるデビアス社自身の資金的な限界も、すでに先が見えていた。 ――金庫には、2年分の販売量に相当する在庫が眠っている。

そうしてついに7月6日、英国の提案を受けた国連安保理は、政府の産地証明 がないシエラレオネ産ダイヤモンドの取引禁止を決議する。これは実は、デビ アス社のカルテル体制強化を容認する、国際社会のお墨付き発行と同義であっ た。

国連の広報プログラムからすれば、かなり季節はずれながらも、日本の国営テ レビが東京地方では7月10日に、シエラレオネ叛乱勢力の残虐性を紹介する 労作番組を流している。ただ残念ながら、BBCを筆頭とする国連のキャンペ ーンシリーズとしてみれば、その時機を逸していた。

◆アフリカ統一機構(OAU)総会

大西洋・ギニア湾にストローをさしこんだような形の、南北に細長く伸びた西 アフリカのトーゴ共和国は、7月初旬、リビアのかつての暴れん坊将軍カダフ ィ氏を迎えて、火炎樹の紅い花よりもさらに熱く沸き立っていた。

昨年、国連安保理の対リビア制裁の停止が発表されてから、着実に世界の表舞 台への復帰を図ってきたカダフィ(Gadaffi)氏にとって、今回、トーゴの首都 ロメで開かれるアフリカ統一機構総会は、アフリカの盟主としての地位を誇示 する恰好の舞台となるものだった。

それだけに、この総会にかけるカダフィ氏の意気込みには、鬼気迫るものがあ った。沙漠の砂が地中海になだれ込む国リビアから、300台の車と、1,000人を 超える従者を従えて、サハラ沙漠を南へ5,000キロ走り、ニジェール、ブルキ ナファソ、ガーナを訪問、サハラ縦断鉄道構想をぶち上げつつ、他国の元首よ りも一足早く大西洋側の開催地ロメ入りを果たしている。カダフィ氏は、沿道 の人々のまさに英雄を迎える熱い歓迎ぶりに、オープンカー仕立ての白いリム ジンから身を乗り出し、こぶしを振り上げ、相好を崩して応え続けた。

さる1998年7月、日課としているジョギングの最中に転倒して大腿骨を骨 折して以来、歩行には補助の杖が必要となっているものの、この日ばかりはそ のハンディキャップを忘れ去って、クーデタを成功させた30年前の若い日の 興奮を想い起こしていたという。トーゴ最大のホテルをそっくり借り切り、そ の庭に張ったベドウィンスタイルのテントで、旧知の客人達と深夜まで熱いお 茶を味わっていたと伝わっている。

◆アフリカ連合構想を説くカダフィ氏の情熱

翌7月10日、トーゴ共和国大統領エヤデマ(Eyadema)氏をサミット議長とし て、まるでカダフィ氏のアフリカ社会公式復帰を祝うような会議が開催された。 氏は、彼に心酔するアフリカ諸国の多くの元首達を前にして、ヨーロッパ連合 (EU)にならって、「アフリカ連合」の速やかな実現をすべきであることを情 熱を込めて説いた。

リビアの訓練基地でゲリラ戦を学び、その後、折に触れて援助を受け、現在は 大統領の職にもある何人かの元生徒達は、昔と変わらぬ師の熱弁を耳にしなが ら、あらためてその幸せを噛み締めていたはずだ。

トーゴの隣国ガーナ共和国出身の国連事務総長アナン氏は、EUの国際紛争防 止機能について最大限の評価をした後、アフリカの「原油とダイヤモンド連合」 の可能性を問いかけた。原油については、この場に参加しているリビアのカダ フィ氏を始めとする原油生産国首脳と、これから生産を始める可能性のあるい くつかの国を念頭においたものであることは理解しやすい。そしてダイヤモン ドについては、7月6日に英国の提案で採択されたばかりの、シエラレオネ産 ダイヤモンドの「違法」取引を禁止する国連安保理決議をなぞっていることは 明瞭であった。そのふたつの資金が、紛争に使われることがないことを願うス ピーチではあった。

しかしながら、この場に参集している、あるいは参加をあえてボイコットした 百戦錬磨のアフリカ各国首脳を前にすると、この問いかけは、優秀な国連テク ノクラートの作文としては通用したとしても、現実味の薄い冷めたスープのよ うなものであった。ただ一人、自身が国連職員として、若い時からずっと「祖 国」を離れたままで、大統領になるために浦島太郎のような帰還を果たしたシ エラレオネ大統領のカバ氏だけが、人当たりの良い氏の性格そのままに、感慨 深げに大きく頷いていたのを同席した関係者が目撃している。

◆根の深いダイヤモンド汚染

今回のOAUサミットの議長エヤデマ氏は、1960年代からほぼ継続してト ーゴ大統領を務め、アフリカで最長の政権維持者として知られている。カダ フィ氏とも親しく、現在もかなりの支援を受けていることは周知の事実。

そのエヤデマ氏が、紛争中のアンゴラ反政府勢力UNITAのダイヤモンド取 引に関与しているとして、UNITAと利害関係にある、アンゴラ、コンゴ、 ナミビアがOAUサミットへの参加をボイコット。ジンバブエは、それらの国 に共鳴して不参加。

リベリアは、ダイヤモンドを見返りとして、シエラレオネの反政府勢力RUF を支援していると指摘されていて、今は国連の非難を一身に受けている最中で もあり、強気に参加拒否。

むろん今回参加した他のいくつかの国も、反政府勢力のダイヤモンド取引に荷 担していることが巷間知られている。生産国周辺の大統領でダイヤモンド取引 に無縁な人間は、サハラ沙漠で落としてしまった小粒のダイヤのように、まず は見つからないと考えるのがアフリカの常識。

コンゴの現大統領カビラ氏にしても、3年ほど前までは、ダイヤモンド資金を 頼りに殺戮を繰り返してきた叛乱ゲリラであったのだが、クーデタ成功後に大 統領選挙を実施したことにより、国際社会の好きなデモクラシー体制国家とし て認知され、国連の協力を得られる立場となっている。しかし現在は、その政 権が、これもダイヤモンドを資金源とする新たな叛乱勢力に脅かされているの が現実。

これらの国々の紛争は、簡単に言ってしまえば、ダイヤモンドの利権を支配す る争いであり、これに、双方を資金的に支えてきた「ダイヤモンドの守護神」 デビアス社の利害、そしてその周辺の関係者の思惑が複雑に入り混じって、事 態を難しくさせていた。

◆ダイヤモンド包囲網の完成へ

とはいえ、ダイヤモンド市場をよそ者に荒らされたくはないという信念を、か たくなに守りとおしている英国にとっては、その面目にかけても手綱を緩める わけにはいかなかった。

その後、主戦場は日本の宮崎へと移動する。九州・沖縄サミットのG8外相会 議は、7月12日夜、ダイヤモンド原石の不正取り引きの取締りを強化する行 動指針を盛り込んだ「総括声明」を発表した。

日本より9時間の時差があるロンドンでは、宮崎の成り行きを確認しつつ、同 12日、デビアス社がダイヤモンド取引の透明性を高める方針を発表した。こ れには、「正規」ルート以外の原石を扱った業者に対しての制裁も含まれてい る。また同社の「過剰在庫」を徐々に処分し、「適正在庫」に近づけるプログ ラムも提示された。国際的なお墨付きをふりかざして、過去の過ちには目をつ ぶり、国際紛争防止のためにカルテル強化(露骨な言い方はないものの)に協力 せよ、というデビアス社の積極的な勝利宣言であった。

そして、ダイヤモンド戦争に磨きをかける仕上げラウンドは、沖縄サミット会 場に設定されている。沖縄G8最終日の7月23日、連合国側のダイヤモンド 戦争勝利宣言を、サミット議長国の森氏が読み上げることになるはずだ。この 日をもって、シエラレオネ内乱を攻撃材料に、世界のダイヤモンド市場の更な る独占をもくろんだ第一次ダイヤモンド戦争が、国際的な支援を得てめでたく 幕を閉じる。

◆第二次ダイヤモンド戦争のはじまり

新たなダイヤモンド支配を宣言するための華々しいセレモニーが終幕に近づき、 もはや世論の同情を誘う弱々しい国連PKOを演じ続ける必要もなくなった7 月15日早朝、国連軍は重装備の兵を送り込み、叛乱勢力のベースキャンプを 完全に破壊するとともに、2カ月半にわたって拘束されていた悲運のPKO要 員、インド兵200人あまりを脱出させた。

しかし、紛争地での現実の戦いはまだまだ終わりそうにない。それでも、デビ アス社の組織・中央販売機構(CSO)の金庫に収められている、国連のキャン ペーンにいう「血塗られた」ダイヤモンド達は、順次「永遠の輝き」を持つダ イヤモンドに染め替えられて、巨大市場であるアメリカ、日本へと送り込まれ ていくことだろう。紛争地でこれから産出されるダイヤモンド原石も、デビア ス社の手で化粧しなおされ、「永遠の輝き」を放つ冷たい石として、最終的に はあなたの手元へ届くことになる。むろん、「非紛争地産出」のきらびやかな 証明書がつけられて。


参考資料:
RFI, BBC, CNN, Le Monde, Washington Post, IRIN, Jeune Afrique,
Libya Online, Sierra Leone Web, Africa News Online, Conakry Press,
現地紙, その他の情報。『金鉱山からのたより』 第27号、第29号。

◆コナクリの通信事情

いつものことながら、当地のインターネットはすでに1週間の間、国際社会に つながっていません。電話会社の衛星通信設備が故障しているためなのですが、 この調子では、いつ復活するのか、本当に復活させる気があるのか、まったく 不明の状況です。

そしてついに、今日は国際電話回線も深い眠りに入ってしまいました。それで、 ふだんは使っていないイリジウム衛星携帯電話機をひっぱりだし、補充電をし ながらテスト通話をしてみました。米イリジウム社の経営破綻が決定的となっ た3月18日以降、公式には衛星電話サービスは停止されています。日本イリジ ウム社は会社を解散してしまいました。

ところが、実は、まだしっかりと稼動しているのです。イリジウム電話の孤児 となってしまった日本地域には、通話規制がかけられていて通じないのですが (いじわるですね)、ヨーロッパ、アメリカ大陸とはまったく支障なく話ができ ています。近々、正式サービスが再開されるまで、通話料はすべて無料です。 E-mailの受信も可能です。ただインターネットには接続できないのが残念。

この端末はアフリカのプロバイダーから買ったものなのでまだ生きているわけ ですが、日本で契約していたとしたら、今ごろはさらに心細い思いをしていた ことでしょうね。このメールは、カナダあたりのプロバイダーからアップす ることになると思います。(『金鉱山からのたより』2000/07/18 第30号)


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